志摩ちゃんうふふ。

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「とりあえず、伊吹が帰ってくるまでの2週間は書類整理を中心にお願いするわ。一応非番扱いになってるから緊急要請が入ったら出動すること」







2日前の桔梗の言葉を思い出す。予想はしていたが、これはまた肩やらなんやらが痛くなりそうだと思い苦笑を零す。
当番の401、403が出払った上、伊吹も居ない静かな分駐所に足を踏み入れる。







「……」






「……」







は？




その1文字さえ出てこないほど志摩の頭は一瞬でぐちゃぐちゃになった。いや、誰でもそうなるだろう。
志摩の目線の先には律儀に''おすわり''の状態でソファの前にいるもふもふとしたソイツ。
白と黒のサラサラとした毛並みと長く突き出た鼻。
あまり犬に詳しくない志摩でもひと目でボーダー・コリーだと分かった。






「…お前、なんでここにいるんだ？」






返事をするようにﾎﾞﾌｯと息をもらした犬。リードは着いているし、躾も行き届いているように見えるので誰かが故意に連れてきた事は確かだ。






目線を合わせるようにしゃがみ、顔を撫でてやると気持ち良さそうに立ち上がり、しっぽをぶんぶんとふる。そのうちに前足を志摩にかけ、顔を舐め回される。たまらずに志摩が後ろに倒れた所で頭上から声がした。

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