志摩ちゃんうふふ。 (ページ25)

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『芝浦署…』

デン、と構える建物を前にスマホの地図アプリを閉じる。何気にここにくるのは初めてだった。
少し緊張しながら受付に足を動かす。

『あの、4機捜の者に用があって…』

「第4機捜ですね。あなたのお名前は？」

『佐倉Aです』

「少々お待ち下さい」

「あ、待ってください」

と、横から髪を1つにまとめた女性が受付の人に声をかける。受付の人と話しているその横顔は見惚れるほど美しく、なにか強い芯のようなものを感じた。

「4機捜隊長の桔梗です。これから分駐所に行くからあなたも直接来る？」

『そうします。ありがとうございます！』

おぉ…噂の隊長さんか…

「ところで誰に用が？」

『あ、かz…志摩に少し…』

あぶない。あった当初でさえ志摩さん呼びで苗字を呼び捨てなんてした事がなかったから、少し戸惑ってしまった。
芝浦署の裏の建物に入っていく。奥から賑やかな話し声が聞こえる中、足早に歩いていく桔梗さんにちょこちょことついて行く。

「ちょっと待ってて、志摩呼んでくるわ」

『あ、ありがとうございます』

人見知りという訳でも無いが、なぜかあの人と話すのは緊張してしまう。

「お疲れ様」

「「「お疲れ様でーす」」」

「志摩、お客さん」

「え？」

そういえば直接来るなんて言ってなかったもんな…
部屋の入口で待っていると足音が近づいてくる。

「お、」

『…来ちゃった』

「じゃねーよ。連絡するか、受付に預けてくれれば良かったのに」

『そうしようとしたんだけどね、受付の所で桔梗さんに声かけてもらって。はい、お届け物です』

「あぁ、悪い。超助かる」

『うん。お仕事頑張ってね』

「おう」