志摩ちゃんうふふ。 (ページ17)

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☆パラソルなんちゃらページ17

※逃げ恥×MIU404のクロスオーバー的なお話です。
苦手な方は閲覧をお控え下さい。
普段よりさらに長くなる予定です。
亜江ちゃん産まれてません。
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ぼやーっと意識が浮上する。まだはっきりと見えない目を隣のベッドに向けると、居て欲しい人が居なかった。それに、ベッドがありえないぐらい整っている。
シーツも毛布も、まるでホテルのように。それまで誰も寝ていなかったみたいだ。

「平匡さん？」

リビングにも居ない。テーブルに置き手紙も無い。
確か今日は溜めている仕事も無く、久しぶりにのんびり出来ます。と意気込んでいたはずだ。
メールも入っていない事を確認し、なんとなく電話を掛けてみようと連絡先を開く。

「え？」

平匡さんの連絡先が無い。というか、連絡先の欄に誰も居ない。百合ちゃんも風見さんも日野さんも沼田さんも会社の人も。バグで全部消えた？

「ええぇぇ～どういうこと～？」

平匡さんの電話番号を覚えていたので、かける。
出ない。虚しく音声が流れるだけ。
百合ちゃんにもかけてみる。これも同じ。

まるで世界に私しか居ないみたいだ。そう思った瞬間に喪失感が込み上げてきた。会いたい。誰かに。

平匡さんに。

サッと着替えて、スマホとサイフだけ持って家を飛び出した。どこに行く、なんて分からない。
そうだ、平匡さんとの思い出の場所。あのゾウの像の前に行こう。そう思い、足を止めた時だった。

「あれ、ここ何処だ」

辺りには全く見たことの無い景色が広がっていた。
思い返してみるとマンションを出た時の景色もいつもと違ったような…
おかしい。そう思ったが、それよりも先にその異変に気づかなかった自分に嫌気がさした。

気が付けば、平匡さんに会えない寂しさと、自分への悔しさで人目も気にせずに、子供のように泣いていた。