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家に帰ると、彼はもう帰っていた。おかえり、と言ってくれたが返す事は愚か、目を合わせる事も出来なかった。ご飯出来てるよと言われ、美味しそうな料理がテーブルに並ぶ。男の人でここまで作れるのは珍しいと思う程に、とても美味しそうだった。
それと同時に、あの子も彼の料理を食べたのかな。と、何を考えるにも昼間のあの子が頭にチラつく。







「今日何買ったの?」






『…別に何も』





「あれ、莉桜と買い物じゃなかったっけ?」





『そうだけど、何も買ってない』






ふーん、と彼が言ってからは何も話しかけてこなかった。当たり前だ。こんな機嫌悪いですよ感丸出しのめんどくさい女、呆れられて当然だ。
食器がぶつかり合う音だけが響く。こんなに静かな夕食は初めてかも知れない。









「コーヒー飲む?」






『…いい』





あぁ、ホントに可愛くない。ソファの隅で体育座りでクッションに顔を埋めてる。話せばいいじゃん。聞けばいいじゃん。昼間の子誰?って。彼の口から告げられるのが怖いだけ。意気地無し。そんな自分が大っ嫌いだ。






「A?なんかあった?」






『……』






「A?」






どうした、と優しい声で声を掛ける彼。






『昼間の女の子の所行けばいいじゃん…』





「は?」





言っちゃった。もう止まらない。顔をバッと上げると膝をついて目線が下になるように座っている彼。
顔を見ると涙が溢れて止まらなくなる。情緒不安定かよ。




『昼間一緒に歩いてた可愛い女の子の方がかずくんは笑えるんじゃないの?!』





「おいA落ち着けって。何の話だよ」





『昼間のかずくんすっごくキラキラしてた。あの子といる方が楽しそうだった!!』





「A!」





肩を掴まれ無理やり目線を合わされた。





『私は!あだ名で呼ばれた事なんて1度も無い!』





「俺は!Aが好きだ。仕草も表情も性格も、何もかも好き。Aっていう名前も好き。あだ名を付けないのはめんどくさいとかどうでもいいとかじゃ無くて、俺がAっていう名前で呼びたいんだよ。」









ズルい。ズルすぎる。涙が止まらない。今すぐ止めたいのに。

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みみっく(プロフ) - nartosasuke1010さん» 了解しました! (2021年4月15日 12時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
nartosasuke1010(プロフ) - ありがとうございます!伊吹と仲が良い主人公。それが気に入らない志摩。嫉妬する感じを書いて欲しいです! (2021年4月13日 19時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - nartosasuke1010さん» ぜんっぜん大丈夫です!!嬉しいです! (2021年4月13日 18時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
nartosasuke1010(プロフ) - リクエストしたいです!いいんですか? (2021年4月8日 17時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - 宮本麻衣さん» 拙い文章でご満足して頂けたなら光栄です…!! (2021年4月8日 17時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みみっく | 作成日時:2021年2月11日 20時

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