本音10 ページ10
とどまることなく振り続ける雨。
足元を見れば点々と続く水たまり。
『なんて時に…。』
町へ少しお買い物へと足を伸ばして事が済んで帰ろうとしたときにこの次第。
お買い物もとい町へ出かけるのが久しぶりだったから何も考えずに屋敷を飛び出して来てしまったことを後悔する。
思い出せば屋敷を飛び出したときから空は曇ってたな…。
かといって傘を買うのも億劫。
でもずっと軒下に居るのもな…。
もう走って帰ろう…！
と決断したときだった。
「「「「「迎えに来たぞ」」」」」
『えっ…』
声の方へくるりと顔を向けるとそこには見知った9人の顔が。
それぞれ傘をこちらに向けながら私を見つめていた。
『なっ、なんでここに！？』
「そんなことよりも早く帰るぞ。派手に降っている雨が更に派手にならないようにな。」
「「雨に濡れてるAとか…アリだな！」」
「Aちゃん帰ろう！お腹空いちゃった」
「「傘を持たずに出かけるなんておっちょこちょいなところもかわいいわAちゃん！」」
「さぁAさん、帰りましょう。相合傘で」
「「ちょっと戸惑っている顔もかわいいですよAさん」」
「A！帰るぞ！！風邪を引いてしまったら大変だ！！」
「「帰ったら体を温めてあげよう！！！」」
「暗くならないうちに帰ろうA。南無阿弥陀仏…」
「「Aは今日もかわいいな」」
「A。帰るぞ。」
「「A(寒そうだから)抱き締めたい。」」
「おい何を躊躇っているんだ全く。お前ってやつは…」
「「本当にかわいい」」
「早く俺の隣に来いやァ」
「「ったくこれ以上待たすと何するかわかんねぇぞォA」」
「えっと…早く来て？」
「「Aは僕のAは僕の…」」
次々と甘い台詞を吐いていく9人。
まだこの血鬼術治ってないのね…。
私は謎に耐性がついたのか、こんな甘い台詞を吐かれてもどうせお世辞だと思って深く考えないようにしている。
でも恥ずかしいのは恥ずかしい。
『とりあえず傘を持ってきてくださったことに感謝します。』
―――――――――――――――――――――
かなり前に募集をしたリクエストを消費して行きます。
リクエストを下さった方、誠にありがとうございましたm(_ _)m
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レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…良いね (2022年11月6日 8時) (レス) @page11 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロンメル | 作成日時：2019年12月15日 1時
