君か、君以外か / 国崎和也 ページ2
．
「Aちゃん」
「なんでしょうか」
「世界にはね、Aちゃんか、Aちゃん以外かしか居ないんだよ」
「……はあ、」
「そう、それは即ちどこぞのローランドの言うことは正しいんだよ」
「くにちゃん、どうしたの」
「俺にとってAちゃんはオンリーワンだよってこと」
「なにそれ、口説き文句？」
「はは、ちゃうよ、ほんまのことやんか」
私の名前を優しく呼んだ時には彼は大抵変なことしか言わない。そんなところが好きだろうと言われれば確かにそうだ。
ふわりと笑ったくにちゃんはふんわりとわたしを口説く。まったく、人たらしな男である。…いやまあ好きなんだけど。
「くにちゃんはほんとに人たらしだねえ」
「Aちゃんにしか言わないよ、伊藤と違うからね」
「伊藤さんのがよっぽど一途そう」
「分かってないねえAちゃん、ああいう男がイチバン、やばいのよ」
「相方すごいディスるね」
横で相方を貶しながらからりと笑うくにちゃんが眩しかった。わたしで良いの？と昔問うた時、1晩通してわたしにわたしの惚気をしてきた時はパンクするかと思った。
わたしにいつも優しく綺麗な世界を見せてくれたのは紛れもなくくにちゃんだし、お笑いの世界の楽しさを教えてくれたのもくにちゃんだ。
「M-1、2回戦通ったね、勝負ネタとかへいき？」
「13本あるから心配しなくて平気！くにちゃんがAちゃんにてっぺんの景色見せてあげる」
「まてまて、多いな。楽しみにしてるよ、くにちゃんにしか見せて貰えないからね、その景色」
「そうそう、世界はね、くにちゃんかくにちゃん以外しか居らんのよ」
「わたしかわたし以外かじゃなかったんかい」
「あれ、そうだっけか」
「すぐ忘れる！！」
軽くくにちゃんを小突くと嬉しそうにへらへらと笑いながらわたしの手を握った。
今日、暇だから伊藤さんとネタ合わせする予定だったのを彼はすっかり忘れているだろう。
「くにちゃん、伊藤さんとの約束はええの？」
「……あー、断るわ」
「なんで！？」
「だって、Aちゃんと離れたないし。あかん？」
「…サボる理由、伊藤さんには内緒ね」
「すぐバレるやろうけどね。任せな！」
楽しそうに笑い、伊藤さんに電話をするくにちゃんの横顔をぼうっと見つめた。
わたしの世界には、きっとくにちゃんかくにちゃん以外しかいないなあと、ぼんやり思った。
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ちゃむ - 初めまして！今もリクエスト受け付けていらっしゃったら、ガクさんと眼鏡の後輩夢主のお話が読みたいです〜〜！2人ともが恥ずかしがり屋さんだけど2人ともが頑張るみたいなものだと嬉しいです！ (2022年1月19日 20時) (
レス) id: a0ffb3aa64 (このIDを非表示/違反報告)
いたう(プロフ) - ガクさん最高です！！！真空嬉しいです…！！！ (2022年1月11日 18時) (レス) @page13 id: 1611f7bf79 (このIDを非表示/違反報告)
伊藤(プロフ) - うにじま。さん» 本当ですか！！。めちゃめちゃ嬉しいです…！これからも何卒よろしくお願いします……！。 (2022年1月11日 18時) (レス) id: 31619474bd (このIDを非表示/違反報告)
うにじま。(プロフ) - ありったけの首ったけ！最高です..（；＿；） (2022年1月11日 11時) (レス) id: 32339675a3 (このIDを非表示/違反報告)
伊藤(プロフ) - ayuminmachatadaさん» わー！ほんとですか！よかったです…！！これからも何卒よろしくお願いします！。 (2022年1月11日 10時) (レス) id: 31619474bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊藤 | 作成日時：2021年10月7日 17時
