18 ページ19
．
「‥‥あー、えと、」
辻「なあ」
「はい‥‥」
辻「あそこ、あんまり米大盛りにしても少なかったよな」
「え、あ、うん？」
辻「うーん。おにぎりだけ食べていくわ。リリーさん達に伝えといて」
「はあ‥」
そうブチッと切られてしまった。
いらんこと言うたな、と謝る前におにぎりなんて言葉で切られてしまう。
とぼとぼと店に戻るとリリーさんは完全に出来上がっていて。
リ「おそい、うわきか？」
東「リリー怒ってるぞ！」
リ「ほんまやあ」
「出来上がってもうてるやん‥‥すんません、ちょっと長引いてもうた」
東「で、辻来るん？」
「来るらしいです、おにぎり食べてから」
東「相変わらずあいつ意味わからんな」
ブクロさんはお酒を煽る。
夜は更けてきて、ふあ、とあくびをする。
ブクロさんはそれを見るなりはは、と笑うのだ。
「‥‥リリーさんにどんだけのましたんですか」
東「いや、そんなのましてないけどなあ」
「のませたのは否定しないんですね」
東「まあ、事実は変わらんからな」
タバコ吸うてええ？とブクロさんは聞く。別に、慣れていると言えば嘘になるけど。
リリーさんからはよくタバコの匂いがした。それはきっと、盛山さんのせいだ。
ブクロさんが火をつけると奥で誰かが店に入ってくる音がした。それになぜか胸騒ぎがした。
辻「すんません、遅なりました」
「辻くんはやいよめっちゃ」
東「お、もう来たんかいな」
「もしかしてコンビニでおにぎり買って食べてきた？」
辻「ようわかってるな、そう。通知来た時点でもう外出た」
「うわー、なんかごめんなほんま。リリーさん寝てもうたし」
東「なんや、えらい仲ええな」
辻「良き友なのでね」
「‥そりゃ、もちろん」
辻くんとは誰にも言わず、人知れず2年付き合った。
別れるには充分な理由も何も無くて、日常会話のように離れた。
その後も、友人として。
東「ふーん。なんか飲みや、好きなん」
辻「ブクロさんの奢りっすもんね。よし、タン3人前と大盛りで」
東「めっちゃ食うやん」
辻「俺一人ちゃいますよ。Aも食べるやろ？タン」
「お、食べる食べる」
ただの男友達が好きな食べ物まで、食べ方まで。
女友達が行動パターンまで知っているのも、変な話だけど。
ブクロさんは私達を見て笑った。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊藤(プロフ) - みやべさん» わー！ありがとうございます、、！そうです！気づいて下さって嬉しい。。！ｷｬｱ！できてよかった！（笑）いつもみやべ様のいつも作品読ませていただいてるのでコメント嬉しいです、、。これからもお互い頑張りましょうね。（ちなみに最後はviviですよ。。（笑）） (2021年5月26日 15時) (
レス) id: 31619474bd (このIDを非表示/違反報告)
みやべ(プロフ) - 更新お疲れ様でした……！読ませていただいてました！途中まで分からんかったんですけど これ米津さんの曲の歌詞ところどころ入ってますよね…！？(メランコリーキッチンとか)歌詞の入れ方が素敵でｷｬｱ！ってなってました(？)！面白かったです……！ (2021年5月26日 2時) (レス) id: 90eb83042b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊藤 | 作成日時：2021年5月9日 15時
