フォルテシモの鼓動 〔 盛山 〕 ページ8
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「盛山さん、サボり？」
「ちゃうわ、息抜きや息抜き」
「さっきまでネタのことでぐちぐち言ってたのに」
テレビの音でゆるりと起き上がるとベランダに揺れる髪があった。カラカラ、と軽い音を鳴らしてコンクリートに裸足で踏みこんだ。すこしだけ冷たかった。
「Aには分からんわ」
「彼女にも分からんことってなにさ」
「お前にはあほやから分かりませんって意味や」
そう言って彼は白い息を吐く。ほぅ、と吐き出した煙はそらに溶けていく。頬を掠める風が心地よくてこんな時間が続けばいいのになあ、と胸を傷める。
「盛山さんはさあ」
「うん」
「私の事好き？」
「なんやねん改まってキショいな。当たり前やろ」
「ふは、私も好きよ」
「ん"ーーーー‥‥」
どこか苛立ったようにもみえるくらいに頭を掻きむしる盛山さん。昨日洗ってないん？とでも聞こうかと思ったが流石に殴られそうでやめておく。
「夕暮れの大阪ってわりと綺麗なんやな」
「そら俺が生まれた県というか府やねんから」
「はいはい」
ぼけーっと街のビルを眺めていると盛山さんから肩を叩かれ、振り返る。するとたばこの煙で視界が真っ白になる。
「うわ、何してんの」
「仕返しや。あほやねんから風邪引くぞ」
「あほちゃうし。てかあほは風邪引かんし」
「あほやから引くねん。ほら入るぞ」
そう手を引かれて中に入る。ぬるい部屋は居心地が良くて。消臭スプレーを体にふきかけている盛山さんにわたしも、と身を乗り出す。
「ほれ」
「そこ顔やん。びちゃびちゃなったやん。訴えるで？」
「やってみろや、ファブリーズで罪問われへんわ」
「はーーー、そういうとこ。やっぱ嫌いやわ、嫌い嫌い。もうひとつオマケに大嫌いや」
「好き好き大好きって言うてるようにしか聞こえへんわ」
「耳鼻科いけ！」
確かにその通りだけど、と言ってやるのはやめてやった。新綿で首をしめるような愛だった。
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ゆいみょん - 脱字申し訳ございません。甘酸っぱいストーリーを希望しております、よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年5月24日 0時) (
レス) id: 81b8449bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいみょん - 伊藤さん» ありがとうございます、楽しみにしております！甘酸っぱい感じのストーリーが細かいシチュエーションなどは伊藤様にお任せします、よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年5月24日 0時) (レス) id: 81b8449bb6 (このIDを非表示/違反報告)
伊藤(プロフ) - ゆいみょんさん» ゆいみょん様、初めまして。コメントありがとうございます。承知致しました、移行先での消化となりますがよろしければ書かせて頂きたいなと思います。 (2021年5月23日 13時) (レス) id: 31619474bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆいみょん - はじめまして、リクエストをお願いしたいのですが、ハナコ秋山さんは可能でしょうか？？ (2021年5月23日 1時) (レス) id: 81b8449bb6 (このIDを非表示/違反報告)
伊藤(プロフ) - なおひとさん» はじめまして！良かったです！私も辻さん大好きなので（笑）よろこんでいただけて良かったです！ (2021年5月22日 23時) (レス) id: 31619474bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊藤 | 作成日時：2021年4月16日 22時
