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リ「A」
「将企どしたん」
リ「結婚式でさ、志摩とAネタやる予定やったやん」
「あれ、知ってたん？そうやで」
リ「やってみてや」
「え、マジ？」
リ「おん、マジ。今日ほぼほぼ劇場に結婚式来る予定やった人くるやん」
「うわー、ほんまに？じゃあ志摩ちゃんに言うとく」
家を出る数分前に将企が言う。もっとこう、余裕をもって ‥ と説教する間もなく家を出る。
将企は2ステ後ろやからもうちょい遅く出るらしい。
「あの、すみません」
「はい？」
「Aさんですか？」
「そうですよ！」
「申し上げにくいんですけど、リリーさんと別れてくれませんか？」
「ちょっと無理かなあ、ごめんね。それだけやったらもう劇場行きたいねんけど」
「私、リリーさんが初恋なんです。貴方みたいなぽっと出の人に取られたくないんですよ」
リリーさんと付き合ってから、結婚してから。こういうことが増えた。
あくまで将企じゃないんよなあ。リリーがモテモテなんやなあ。とぼうっとする。
リ「え、Aなにしてるん」
「あれ、リリーさん」
リ「リリーさんてお前、あぁ、ファンの子の対応してたん？ごめんな、邪魔して」
「リリーさん！あの、私リリーさんが大好きです。きっとAなんかよりも」
リ「Aってこの子と呼び捨てで呼び合うくらい仲良いん？」
「リリーさんはそう思うんですか？私はこの子初めて見ましたけど」
リ「リリーさんやめろや気持ち悪いな。あの、ごめんやけど俺はこいつが好きやねん、ごめんな。
あと、変に俺らに絡まんといてくれる？」
そんな足蹴りにせんでも。あの子泣いてまうで。
ほら、悲しそうな顔してる。
「ごめんな、リリーさん今日機嫌悪いみたいやわ。また、劇場来てくれる？ほんまにごめんな」
リ「A、その子に謝るんもええけど遅刻するで」
「え、嘘！？ほんまやん！あかんあかん、ほな！」
のんびりと歩く将企を置いて、走って劇場へ向かった。
あーあ、今日髪ちゃんとセットしたんに。将企の前でネタするから可愛くしたのに気分だだ下がりや。
なんてため息をつき、時計を見て歩を早めた。
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作者名：伊藤 | 作成日時：2021年4月8日 4時
