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志「はあ！？」
「いやほんと‥スンマセン‥‥」
助手席で声を荒らげる志摩ちゃんとその横で平謝りの私。
で、後部座席の
リ「両想いやねんから許してよ」
なんか着いてきたリリーさん。
志「いや、あんたらが身体重ねたって言うてAから身体の関係だけって言われたーみたいなん聞いてね？
そんで今日付き合うとか、俺まだリリーさんのこと信じてませんからね？」
リ「多分俺のが先輩やのにボコボコやな」
「先輩に当たりがキツイ志摩ちゃん」
2人揃ってお説教中である。ある意味私のお母さんと言っても過言でない志摩ちゃん。
心配で心配で堪らないらしく。
志「Aから連絡あって、迎えに行ったらリリーさん居るのは分かりますよ。でもその後のなんですか？『俺ら付き合ってーん』て！アホか！」
リ「声真似めっちゃ下手やん」
「俺ら付き合ってーん」
ぷんすかぷんすか怒りながら私の家まで送り届けてくれている志摩ちゃんは不器用だから。
リリーさんを信じきっていないのだ。無理もない。
志「‥‥俺は、リリーさんの噂も、リリーさんも、Aも、俺も誰も信じてないです。事実だけがあればいいんです。
だから、Aのこと幸せにして、事実だけ見してください」
「志摩ちゃん‥‥‥」
志「泣くような恋愛、しないでくださいね」
リ「おう、任しとき」
志「不安やなーーーー‥」
リ「なんでやねん」
知らない間に関西弁に染まった志摩ちゃんも、余裕そうなリリーさんも、全部全部私の宝物だった。
きっと、これから先もそれは変わりようのない、事実なんだろう。
リ「じゃ、俺は今日Aの家行くから」
「え」
志「いや行かせません？レンジ明日あげに行くんです帰ってください」
リ「えー、でも俺帰りたないわ」
志「連れて帰ったりますやん」
リ「志摩大好きやわ」
志「俺はあんま好きじゃないです」
「はよ帰れや」
まだ、慣れない関係だけど。
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作者名：伊藤 | 作成日時：2021年4月8日 4時
