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｢んー、解凍される〜｣
Aちゃんが大きく背伸びをしてそう言う。確かに、ずっとクーラーの風を浴びていたからか体が冷えていて、外に出ると肌がじんわりと暖かくなるのがわかる。
｢んでもやっぱまだ暑っついなぁ。｣
夕方とはいえど、まだ気温は下がっておらず暑い。じんわりと汗が浮かぶのがわかる。
一方Aちゃんは汗ひとつない涼しい顔をしているもんだから、彼女だけ別の世界で生きているかのように錯覚する。
ふぅ、と小さく一息ついて空を見上げ、彼女はつぶやく。
｢空、綺麗だね｣
まだ時間が早いせいか、未だ真っ青な空には入道雲が浮かんでいる。
この夏空の青が、彼女にはよく似合うと思った。
｢せやな、｣
思ったよりも乾いた声が出る。それでも彼女は気にする様子はない。
｢...溶けそう｣
彼女がぽつりと言ったそれを、俺は聞き取ることが出来なかった。
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その後図書室へ戻ると、Aちゃんは疲れたのか机に突っ伏して寝てしまった。
西日が差し込む席で無防備にも肌を露わにして寝ている彼女の腕は白くて細い。
肩よりも伸びた真っ直ぐで黒い髪の毛は、太陽の光を浴びて茶色く見える。
俺はそんな彼女を見て胸が苦しくなった。
それから、直視出来なくて残りの課題に目をやるも、全くと言っていいほど進まない。
ふと、何故か俺は手を伸ばして彼女の髪の毛に触れようとしていた。あと3センチ、1センチ、5ミリ、まで言ったところで図書室の扉が勢いよく開いた。
｢っ、！？...なんや、シッマか｣
｢なんやとはなんやねん、来い言うたのお前らやろ｣
太陽の光を直に浴び続けたこいつの肌はAちゃんとは真反対で黒い。元々そんなに白くないせいもあるけど。
｢なにしててん｣
｢見ればわかるやろ？勉強や｣
ほんまか？と何故か怪しむコネシマ。何が怪しいのやら。
｢お前、女は？｣
｢は？｣
唐突に女なんて単語を発するからびっくりする。
女。女ってなんやねん。いや、分かるけど。
｢いや、最近は怠くて構ってねぇな｣
俺がそう言うと、コネシマはふーん、と俺を品定めするかのように見てきた。
なんか、今日は2人とも変や。いや、俺もか？
というか、ここのところ、いつも通りなのに、3人の気持ちがまるで違う気がしてならない。みんなと違うことを考えているのが、怖い。
｢...お前さ｣
｢...いや、なんでもない｣
コネシマは目を背けた。
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さく(プロフ) - 木材(もくざい)さん» コメントありがとうございます。書きたいと思い半日ぐらいで完成させたので読みにくいものになってしまったと思うのですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。 (2019年5月26日 20時) (
レス) id: 37afa91c5e (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 天使の翼さん» コメントありがとうございます。耳のことは私もうろおぼえの状態だったので気にしないで貰えるとありがたいです笑 (2019年5月26日 20時) (レス) id: 37afa91c5e (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 白亜さん» コメントありがとうございます。拙い文章でしたが読んでいただきありがとうございました。 (2019年5月26日 20時) (レス) id: 37afa91c5e (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 理香さん» コメントありがとうございます。エピローグは短くなってしまったんですがそれなら良かったです。 (2019年5月26日 20時) (レス) id: 37afa91c5e (このIDを非表示/違反報告)
木材(もくざい)(プロフ) - 涙が止まらなくなるとても良いお話でした。言葉の操りがとても上手くて、涙が不意に誘われて...素敵な作品。ありがとうございました (2019年5月26日 11時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さく | 作成日時：2019年5月25日 5時
