祓魔75 ページ25
「愛しの坊に教えてもろたら？」
勝呂「俺一人じゃ回らんで手伝ってくれ。あと、愛しのやめぇ」
志摩「てことで、俺坊に見放されたんですよ〜」
と、泣き始める廉造君。
「何がわからへんの？」
志摩「このページの、図についてやねんけど…」
「せやから、これは…」
私は廉造君が指した問題について、できるだけ分かりやすく伝わるように言葉を選び教えていく
志摩「はぁぁぁ…なるほどなぁ」
「ほんまにわかった？」
志摩「さすが、坊と同じ特進クラス…」
なんや感心されてるけど、私そないアホに見えるんやろか？いや、そこまで頭は良くないけど…
「勝呂君の方は大丈夫？」
勝呂「なんとかなりそうや」
志摩「えらい、坊のこと気にかけはるんやね」
「坊はジャーマネのお仕事もあって疲れてんねんから、なんかできることは手伝わな」
勝呂君の師匠、ライトニングは悪魔についてよく知ってる人や。
もしかしたら、私の言葉と悪魔の繋がりが分かるかもしれん…でも、こんだけ勝呂君も振り回されて忙しくしてるのを見ると
なかなか大きなことに手を出そうとしてるんやないかと、思ってしまう。
勝呂君、ほんまに大丈夫なんか？
先生といい、勝呂君といい頑張り過ぎちゃうか？
勝呂君はまだしも、私が心配なのは先生や。
この前半端に先生と廉造君の会話を聞いてしまってる分、考えてしまう。
雪くんが相談すべきやと忠告されたのはどんな問題なんか。
そして、あの奥村兄弟の微妙な距離感はなんなんか。
私が思うに、燐君は近づこうとしてるけど 先生がそれを許してへんって感じや。
認定試験まであと少し
「考えること多すぎやろ…」
三輪「なんか分からんとこ出てきたんですか？」
「あ、いや、」
勝呂「どこや、見せてみ」
勝呂君が廉造君を押し退けたさいか、廉造君はそのまま後ろに倒れ込んだ。
「えーっと、こ、ここ？」
勝呂「なんで疑問形やねん…あぁ、これか竜騎士やったら使うでよう覚えときや。これはな…」
実はもうわかってることやけど、わざわざ教えようと来てくれたから、私は咄嗟に教科書の適当なところを指さした。
この不安がどうか。
早く消え去りますように。
そんなことを願いながら勝呂君のわかりやすい説明を聞くことにした。
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作者名：颯 | 作成日時：2021年7月3日 0時
