祓魔68 ページ18
志摩side
この前俺は女の子を泣かした。
びっくりするくらい綺麗に泣くもんやから、一瞬ほんまもんの涙か疑った。
それから何となく、態度が違う気がするというか。
いや、悪いのは勿論俺なんやけどなんか避けられてるなーって感じると気になってまうやん?
話振っても全然こっちみてくれんし、目の前に立つまで俺が何してたかもわからんくらい。
後ろで色々ちょっかい出してたんやで?変顔したり、ピースしたり…けど全然気付かへん。
教室に入ってわざわざ隣に座ると、なんで?って顔をされる。
俺は鞄の中を漁って教科書を…いや、ここは
「しもた!」
朔「嫌やで」
ほんまは教科書持ってきてるけど口実として忘れた振りをする。
そうは言うたけど結局朔ちゃんは優しいから見せてくれる。
ちょっと見にくくて寄っただけで動揺するもんやからちょっかい掛けるのもちょっと申し訳ない。
授業が終わって足早に帰ろうとする朔ちゃんを引き止める。
話を聞いたらやっぱり俺の予想は当たってた。流石スパイってとこやな。
そこから普通に話せるようにか、話題を変えてきた朔ちゃん。
どうやら俺の兄貴らに会ったらしい。
そんで番号を…
「あぁ、番号…って、は!?え!?」
朔「ごめん。紛らわしいこと言うたな、金造さんの、」
はぁ!?しかも金兄!?
「なんでよりによって金兄やねん!!」
話を聞くと、過去に金兄に助けて貰ったことが祓魔師になりたいと思った一つの理由やとか何とか。
そうか。朔ちゃんやったんや。
なんで金兄なんや。
そない目輝かせてヒーローって話す程金兄はかっこよかったん?
そんな時俺にはちょっと意地悪な感情が芽生えた。
「もし、そのヒーローが金兄やなくて…俺やって言うたら?」
朔「いや、そんなん」
あー、あかん。
完全に困らせとる。
せやのに俺の口は止まらへん
「朔ちゃんも思ったんやろ?俺ら兄弟が顔似てるって」
朔「そう、やけど」
ついに考え込んでしまった朔ちゃん。
きっと自信なくしたんやろな。最悪やん?俺
「堪忍な。変な話して。戻ろ。」
急に都合よく態度変えて、朔ちゃんとの気まずい空気を破ろうとする。
俺は何をムキになってこんなこと…
いっつも金兄に意地悪されてるから?
もし相手が柔兄やったらこんなこと言うてへんのかな?
俺は半端に知ってしもてるんや。
理由はホンマにそれだけか?
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作者名:颯 | 作成日時:2021年7月3日 0時