Aぇ! 部 (ページ12)

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「ありがとうございましたー！」

最後のお客さんを大晴先輩が見送りする。その間私たち6人でお店の片付けを済ませた。

「よっしゃ歓迎会！やるでえ！」

業務用冷蔵庫から皆で予め買っておいた2Lサイズの飲み物とお菓子、賄いとして大晴先輩のお母様からいただいたご飯が出てきた。

1番大きい6人がけのテーブルにみんなが座って、いわゆるお誕生日席なるものに私。なんだか恥ずかしい。

「はいそれでは、AちゃんのAぇ! 部入部を祝ってかんぱーい！」

かんぱーい！

小島先輩の音頭で、皆でグラスをくっつけ合った。

4日間の疲れなんて感じさせないくらい、みんな笑顔で、たくさん食べてたくさん話した。

事件が起きたのは私が大晴先輩と話している時だった。

「いやでも、Aのエプロン似合っとったなあ！定期的に来て欲しいわあ」

「大晴先輩何言ってるんですか～」

この会話で、まわりが静まった。

と思ったら

「は？！A？！大晴先輩？！」

「いつから名前で呼び合うような関係になったんんん？！？！」

「昨日ですね？！昨日何あったんですか大晴くん！！！！」

「付き合ってんの？！なあ付き合ってん？！！」

質問攻めとはこのことだ。うるさい。まあ主にうるさいのは末澤さんと小島先輩と、あと佐野くんなんだけど。

リチャードさんはなんでか笑ってて、正門先輩は...悲しそうにニコニコしてる、

「ちょっと待って？！別に付き合ってないって！！そういう感情もないし！？福本先輩がむず痒かったから、大晴にしてって俺が！無理やり！頼んだんねん！」

だからAはなんも悪ないし！なんも無い！

大晴先輩が必死に説明してくれた。誤解はなんとか解けたみたいでほっとしていた、が今度は別の問題が生じた。

「じゃあ俺のことも誠也って呼んで！！ほら、せーや！呼べるやろ？？？？！！！」

「え誠也くんがそういうんなら、俺も、健！！！」

「佐野くん距離感じて嫌やからさ！晶哉！！晶哉ってよんで」

これは早々に呼んだ方が良いやつだと踏んだ。

「晶哉くん」

おおお！聞きました？！晶哉くんですって！！！なんて顔をくしゃっとさせて笑う、晶哉くん。これは呼んでよかったかも。

「えー、せいや、さん！」

「なんでさん付けなん？！おれもくんがええ！なあ！！」

ちっちゃくてわんこみたいな誠也さん。うんこの人はさんでいいや。