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「うーん。高校生のときは無敵だと思ってたから、その年を思いっきり楽しんでた気もするけど
悪いこともしてたからラウのいうとおり大人への反抗だったのかも」
ラウール「みんな通る道なんだね」
「そうだよ!でも楽しいことが一番!笑 ラウが思い返したときに楽しかったな〜って思えるくらい楽しもう!」
パーク内を堂々と手を繋いでラウにおんぶしてもらって
背の高い彼の目線から見る景色は私が見てる世界と全然違った。
くたくたになるまで遊んで、さすがに疲れた。
「ラウ、体力ありすぎ」
ラウール「現役高校生なめないでもらっていい?笑」
「都合いいときだけ子供を使うな!」
最後パレードを見て、人気キャラクターにお手ふりをもらって2人でキャッキャと楽しんだ。
「ファンの子からしたらラウ達があのキャラクターなんだもんな〜。
夢を与えられる仕事って素敵だし、かっこいいね」
ラウール「俺がああなれてるかは分からないけど、支えてくれているファンの子がいての仕事だからね」
「ね!誰かの生活の一部になったり、原動力になったり18歳で尊敬する」
ラウール「Aちゃんだって同じでしょ?憧れられて、真似とかされて」
「そうなれてるなら嬉しいけど、まだまだですよ。」
ラウール「なんだろうね。この言い合い笑」
「間違いない笑 でも応援してるよ。ラウのこと」
ラウール「じゃあ、たまにはAちゃんに甘えようかな」
「ほどほどになら、胸貸すよ」
ラウール「じゃあ抱えきれなくなったら頼もうかな」
そんなこと言って私に頼る日なんて来ないだろう。彼はもうれっきとした大人の顔をしているから。
撮影も終わって、ラウがぽつりと話かけてきた。
ラウール「てかごめん。俺めっちゃ素だった。大丈夫だった?」
「ふふ、素でいいじゃん。動画じゃないし楽しそうにしてるラウをつまみに飲めるくらい私も楽しかったよ」
「例えがおじさんなんだよな」って言いながら「じゃあいいや、また次の撮影でね」と別れた。
前回の撮影のときも「大丈夫だった?」と聞いていたから自分に自信がないのか、それとも周りに気を使ってるのか。
彼を取り巻く環境がそうさせたんじゃないかって少し心配になった。
ラウはラウのままでいいよ。この本心が彼の気持ちを楽にさせるくらい
近い存在だったらな、と思ったのはいつかの誰かと重ねているからかもしれない。
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作者名:coco | 作成日時:2021年5月26日 15時