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第陸拾捌戦 宣誓 ページ22

入口で立ち止まっていると長谷部が出てきた。

「あ、主。丁度良かった、今お呼びしようと思っていました」

「掃除してくれてありがとう!料理は僕たちに任せてね」

既に夕食の支度を光忠と長谷部が始めてくれていた。手隙の刀剣男士は、広間に食膳を運んでいるとの事。

「すみません」

「気にしないで良いよ。僕らに出来るのはこれくらいだからさ、主と山姥切君は休んでてくれて構わないよ」

少し申し訳なさそうに微笑むと、長門は光忠の言葉に甘えて広間へ一足早く向かう。山姥切も工兵の妖精たちを抱えて戻ってきた。広間に入ると、薬研や前田が主へと駆け寄る。

「お、大将、丁度良かった」

「主君!今お呼びしようと思っていたところです」

「すみません。私も手伝えば良かったですね」

テキパキと役割分担をして夕餉の準備をしている広間の男士たちを見て、長門は感心していた。これだけ手際が良いと、遣り甲斐もある。

「山姥切さん、お疲れ様です」

「……あぁ」

主に:労われ、山姥切は少し照れくさそうに布を目深に被った。まだ褒められる事に慣れていないのか、頬に赤みが指している。
小一時間もすれば食膳の準備も終わり、皆で夕食を取るべく座った。久々の豪勢な食事に、刀剣男士たちは目を輝かせた。

「それにしても……長門君は凄いね、まだ半日しか経ってないのに、もう1ヶ月過ごした気分だよ」

「それ普通に老けるのが早いって言いませんかね?大丈夫ですか?」

少し趣旨の違うツッコミを入れる。確かに色々有りすぎて、一日がとてつもなく長く感じるのは皆同じ事である。光忠の言う通り、まだ長門が派遣されて一日も経っていないのである。
再出発を誓った長門の本丸には、山姥切を含めて20振りの刀剣男士が居る。長門は大部屋に集まった皆を前に、食事の前に短く再び宣誓をする。

「もう貴方たちは私がこの本丸の審神者である以上、前任に縛られなくて良い。政府が余計な手出しをすれば、容赦なく捻り潰します。ご安心下さい。というわけで、明日からは再建の為に手伝って貰わねばなりません。沢山食べてゆっくり休んでください……では」

「いただきます!」

政府側からすれば、十分安心出来ないこの発言。しかし長門によって、彼らが救われたのは確かである。主の短い宣誓が終わると、一同の賑やかな挨拶と笑顔が広間に溢れた。

手っ取り早く大人数の食事が作れ、尚且つ胃腸に優しい物は無いか、燭台切と薬研の提案で薬膳を作る事となった。

第陸拾玖戦 夕餉→←第陸拾漆戦 工兵



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大日戦(プロフ) - ふてんにぶおんぷさん» ハワイの資料館ですか!私も1度は訪ねてみたいです。私の両祖父が軍人だったのと、生まれが広島なものでよく話を聞かされていました。死が正義という時代から、死を望む時代に変わった事については、皮肉なことに国の根幹は変わってないのです…。 (2018年2月11日 14時) (レス) id: e07552d661 (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - 大日戦さん» あの特攻した人の命を表す『ピイー』の音が、米軍の戦艦に突っ込んだ瞬間に『プツリ』と音が途絶える。その儚さにもう発狂しかけました。国のために命、家族すべて失うことが幸せな訳がないですよね?現代に生を得たから言えることですけど。また長文失礼しました。 (2018年2月11日 14時) (レス) id: 7ca422baae (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - 分かりやすい解説をわざわざありがとうございます!(敬礼)私もハワイの博物館とかにあった特攻の資料?とか、遺書のようなものを幼い頃見ていました。今でもその時感じた憂いのようなものが晴れません。国のために命を散らすことが正義なんて・・・ (2018年2月11日 14時) (レス) id: 7ca422baae (このIDを非表示/違反報告)
大日戦(プロフ) - ふてんにぶおんぷさん» “のたまう”は、大体『言う』のニュアンスで書いております。目線は第三者のつもりですが、時々刀剣男士になったり、こんのすけになったり、審神者になったりと突然切り替わることも多々あります…。ややこしくてすみません;; (2018年2月11日 14時) (レス) id: e07552d661 (このIDを非表示/違反報告)
大日戦(プロフ) - ふてんにぶおんぷさん» あ、ありがとうございますぅぅ!退役軍人の手記や特攻隊員の遺書を拝見したことがあるんですが、やはり死への概念が今の人と全然違うのに驚かされましたね…。長門ニキは元大佐でも思考は現場寄りなので、デリケートな部分を書いていけたらと思っております…。 (2018年2月11日 14時) (レス) id: e07552d661 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大日戦 | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/member.php?id=16263880  
作成日時:2016年12月18日 22時

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