第弍百拾肆撃 月華 ページ37
どうやらこちらの一期一振と燭台切を躱してきたらしい。
鶴丸が苦い顔をしていれば、長谷部が弾かれたように背後へ振り返り、刀を盾に構える。
振り抜かれた一閃が、白刃へとぶつかり、けたたましい金属音と共に、火花を飛び散らせた。
「日向！」
思わぬ加勢に今度こそ鶴丸が目を丸くする。
「豊前から伝言。『こっちは任せろ』だってさ。僕一人で仕留めきるのは難しいだろうけど……。うん、うまくやるよ」
「これは本丸単位の演習なんだ。今回ばかりは立場云々の貸し借りはなしにしてくれよ」
「それは鶴丸の戦い次第だよ」
言うなや否や、日向は長谷部の懐へと飛び込んでいく。短刀でありながらも体格差を利用し、見事な刀さばきで翻弄している。
「やれやれ。手厳しい」
鶴丸はそのたくましい背を視界の端でとらえながら、肩を竦めて頭を振ってみせた。そして気を取り直し、三日月へと向き直る。
「戦いながらでも良い、話をしようぜ」
白鶴は、その美しい白刃を思いきり振り抜いた。空を裂く鈍い音が響き渡る。
「軍に下げ渡される前の、最後の主はどんな男だった？無理やり閨を求めたのか？無謀に刀の収集に固執したか？……答えろよ」
先ほどの飄々とした空気から一変し、彼の金色の双眸は、真剣そのものに天下五剣を射抜いていた。
「…………無粋な」
一方で、三日月は無言で刀を構えることで、自身の意志を示していた。言葉ではなく、武によって語らう。
それは彼自身がいまだ、歴史を、かつて愛した者の生き様を守りたいという在り方を望んでいるのだと知らしめるには十分だった。
「陸奥丸から聞いている人物像では、清廉潔白な青年と聞いている。例えおまえが天下五剣の中で最も美しい刀とて、そのような無体を強いるとは考えられんとな」
普通なら、かの青年と聡明な三日月が仲を違えるはずがない。一件のあらましを聞いた者たちは、皆一様に「なぜ」と首をかしげたのだ。
「ブラック本丸と呼ばれるほどの采配をした落ちぶれた
「ならば俺はお前をそのように育てた今の審神者の親の顔が見てみたいくらいだ。戦闘で伽の話など、不躾にもほどがあろう」
「おっと残念。俺はレパルスが引き継ぐよりも先に隠居していたものでね」
言うなや否や、飄々とした表情を浮かべていた鶴丸の顔面めがけて、一閃が飛んでくる。
明らかに怒りが滲んでいる攻勢を、白鶴はひょいひょいと躱していく。
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ホケキョ茶(プロフ) - 返事がない只の屍のようだ。さん» 40度の発熱をして二度見しましたが、味覚も正常で快復しつつあります(^^ゝ そのお気持ちだけで嬉しいです！有難うございます！ (8月30日 2時) (
レス) id: d8aff847cc (このIDを非表示/違反報告)
返事がない只の屍のようだ。 - ホケキョ茶様、イベントお疲れ様でした〜ﾄﾞｳｿﾞ( ・∀・)っ旦 って、こ、コロナ感染！大丈夫ですか！？熱は？呼吸は辛くないですか？味はしますか？屍は何もできませんが早くお体が良くなるようにちょっとお百度参りをして参ります！！(*｀･ω･)ゞ (8月29日 13時) (レス) @page44 id: 2157a47614 (このIDを非表示/違反報告)
ホケキョ茶(プロフ) - 返事がない只の屍のようだ。さん» ご無沙汰しております！いつもコメント有難うございます。励みになっておりますᕙ( ˙꒳˙ )ᕗ 主人公とは何ぞや？の泥沼にハマり、気づいたらまともな更新に年単位かかりました笑 ぼちぼち書いていきますので気長にお待ちください〜 (2022年12月6日 3時) (レス) @page24 id: d8aff847cc (このIDを非表示/違反報告)
返事がない只の屍のようだ。 - お待ちしてましたーホケキョ茶様vヽ(*´▽｀*)ﾉ少々占ツクから離れていましたが、戻ったら更新されていて嬉しさのあまり踊ってます！レパレスさーんvヽ(///∀///)ﾉｷｬｰ(ｵｲ) お引っ越しお疲れ様でした！大尉のご活躍を楽しみにしていますvv(*^^*)いち兄頑張って〜 (2022年12月3日 14時) (レス) @page25 id: 2157a47614 (このIDを非表示/違反報告)
返事がない只の屍のようだ。 - はわゎ、有りがたきお言葉！ファン冥利につきます！(//∇//) それは悩みますね(^^; ですが、あのお二方は大尉の為に動こうとしている様に見えるので大尉が動かしている様なものだと思います！！(うわぁ、超ご都合解釈(-""-;)) (2022年2月28日 11時) (レス) @page12 id: 2157a47614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大日戦 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/member.php?id=16263880
作成日時：2020年9月16日 1時
