＊ ページ10
・
目「今の、白鳥さんって同期なんですけど。今度やる同期会の幹事同士で」
A「あぁ〜そう〜」
目黒くんがご丁寧に、白鳥さんの『後でね』の意味を説明してくれているのを聞き流す。
白鳥さんが明らか私に挑発的だったもんで、緩んでた思考がようやく冴えてくる。
流れで一緒に出社してしまったけれど、実は私、とんでもないことをしてしまったのではないか。
別に通勤途中にたまたま同僚に会うなんてよくあることだけど。相手、目黒くんだし、私、青木だし。あらぬ噂を立てられて、更に女子社員からの風当たりが強くなるって可能性も有り得なくはない。
念の為一緒に帰るのはやめておこう。後で目黒くんにLINEしなきゃ。
・
その日の午後、私のデスクから見える目黒くんと向井くんの席に、別の課から白鳥さんがやって来ているのが見えた。どうやら『後でね』のお時間のようです。
聞き耳立てるつもりはないんだけど、聞こえてくる会話からして、あの3人が同期会の幹事らしい。
話し合いを兼ねて決起会をやりたいという白鳥さんに、優しく乗ってあげる向井くんと、渋る目黒くんの会話が丸聞こえである。
「今日とかどう？」
目「ごめん無理」
向「何かあるん？」
目「先約がある」
『先約』が明らかに私で、気まず過ぎて必死に顔を隠す。何となく白鳥さんが周囲の女子にマウントを取っている気がするので更に隠す。
・
というか、目黒くんが今日『先約がある』とオフィスに知れ渡ったこの状態で、私と帰るのはそれこそアウトなのでは？
急いでデスクの下でスマホを開いて『やっぱり一度家に帰りたいので、先に帰っててください』と目黒くんにLINEした。
すぐに目黒くんのスマホがブブ、と震えて、真顔で文面を確認しているのが見える。
『了解です』すぐに返信が返ってきて、スマホを置いて3人の会話に戻る目黒くんにホッとした。
モテメン目黒くんのことだから、『残業する』とか嘘ついたら『待ってます』とか返ってきそうでどうしようかと思った。
・
定時過ぎ、帰る支度をした目黒くんが「お疲れ様です」と周囲に声をかける。
目「青木さん、じゃあ、後で」
・・そのままさっさと帰ればいいものを、デスクの近くに来て微笑まれて
終わった。と思った。
案の定向井くんは目ん玉丸くしてコッチを見ている。
先程のLINEは何だったのでしょうか？意図を、汲み取っては頂けませんでしたでしょうか？
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Emi(プロフ) - この作品すごく好きなのですが、もう更新されませんか？ (6月25日 21時) (
レス) @page36 id: 0a1f78866d (このIDを非表示/違反報告)
ぶたこ(プロフ) - まどろんさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます！とても嬉しいです泣。 (2023年3月4日 4時) (レス) id: a24fabd0e7 (このIDを非表示/違反報告)
ぶたこ(プロフ) - シラユキ。さん» ありがとうございます泣。またちょくちょく更新できるように頑張ります^^ (2023年3月4日 4時) (レス) @page31 id: a24fabd0e7 (このIDを非表示/違反報告)
まどろん(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて、最高です！！！こんなに楽しく見れた作品は久々でテンション上がりまくりです！ありがとうございます！ (2023年3月1日 22時) (レス) @page30 id: 751e143123 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。 - 何周もしちゃいます…何回読んでもドキドキしちゃってます…！これからも頑張ってください！ (2023年3月1日 20時) (レス) @page30 id: c787a593b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぶたこ | 作成日時：2022年10月24日 5時
