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目「俺に払わせてください」
A「・・いや、でも、先輩だから」
目「男だから。払わせてください」
店員さんがレシートを持って帰ってくる。
掴まれた両手首を、膝元でクロスされて、片手で呆気なく拘束される。
左手で私の両手首を掴んだまま、目黒くんはレシートにサインして、店員さんからカードを受け取った。
・・目黒くん、手、おっきいなぁ。私の手なんかすっぽりだ。意外と肌の色濃くて可愛い。
観察していると、ぐいっと手首を引っ張られて、思わず顔を上げる。
お酒でぼーっとしてる私がおかしかったのか、目が合った目黒くんは舐めプ笑顔で「帰りましょ。立てます？」と煽ってきた。
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A「ごちそうさま。ごめんね、私ばっかり呑んだのに」
目「いえ。楽しかったです」
・・目黒くん、いつも豆腐ですら1円でも安いのを買いたがるのに、こんな酒豪に奢ったりして大丈夫なんだろうか。
無理させたかな。見栄張って可愛い。今度は帰る前にお会計済ませといてあげよう。
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目「・・青木さん、彼氏いますか？」
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目黒くんの黒髪が夜風になびく。
後ろの夜空と、おんなじ髪の色。
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A「・・いるように見える？」
目「・・いなかったらいいな、と思って、聞いてます」
横を歩く目黒くんは、いつもはあんなに私の顔を見つめるのに。
今は少し俯いて、自分の足の3歩前を見つめてる。
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A「・・・目黒くん、そういうの、興味ないんだと思ってた」
目「・・興味ない方がよかったですか？」
A「いやっ、別に、そんなことないけど。
・・目黒くんと話してると、男女っていうより、人と人として話してる感じ？してたから」
目黒くんは、男だとか、女だとか、そうじゃなくて、人として。私を見てくれてて。
だから・・目黒くんは私を、人以上の何者としても、見ないんだと思ってた。
というか、あのジャージ姿を見られても尚、目黒くんが私を人として見てくれてるのが、奇跡だと思ってた。
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目「・・なんか、騙した感じになってたなら、すいません」
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目「確かに俺、人としてもめっちゃ好きです。青木さんのこと」
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目「・・けど。
俺の中で、青木さんって・・めちゃくちゃ、女の子ですよ」
・・困ったように笑って、少しだけ私を振り返る。
この空気感が、酒のせいでも、夜のせいでも、気のせいでも。
もう少し、続いたらいいな。心で少し、わがままを言った。
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Emi(プロフ) - この作品すごく好きなのですが、もう更新されませんか？ (6月25日 21時) (
レス) @page36 id: 0a1f78866d (このIDを非表示/違反報告)
ぶたこ(プロフ) - まどろんさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます！とても嬉しいです泣。 (2023年3月4日 4時) (レス) id: a24fabd0e7 (このIDを非表示/違反報告)
ぶたこ(プロフ) - シラユキ。さん» ありがとうございます泣。またちょくちょく更新できるように頑張ります^^ (2023年3月4日 4時) (レス) @page31 id: a24fabd0e7 (このIDを非表示/違反報告)
まどろん(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて、最高です！！！こんなに楽しく見れた作品は久々でテンション上がりまくりです！ありがとうございます！ (2023年3月1日 22時) (レス) @page30 id: 751e143123 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。 - 何周もしちゃいます…何回読んでもドキドキしちゃってます…！これからも頑張ってください！ (2023年3月1日 20時) (レス) @page30 id: c787a593b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶたこ | 作成日時：2022年10月24日 5時
