未来を、生きていこうか―2 (ページ7)

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苛立ち―6 ページ7

銃の名手だなんてこの世に何人もいる。

そう、男は自分こそ1番だと調子に乗って油断していた。

そして、男は彼女も自分のことを好いていると勘違いしたまま息絶えたのだ。

バーボンは男に近寄り、男の服のポケットを漁る。

先程まで男の顔を照らしていた携帯電話を取り出すと、画面を点けた。

そこには、自分の妻が写し出されていた。

明らかに隠し撮りだと分かる写真が大量に写っていた。

彼はその写真を全て削除した。

…バーボンも。

安室透も。

降谷零も。

私情で人殺しなど、絶対にしない人物だ。

今地面に横たわって、地面を大量の血で濡らしている男も私情で殺したのではないのだ。

この殺人には、意味があった。

そう、意味があるのだと自分の心に言い聞かせる。

では一体何故、約束の時間の30分も前に家を出たのだろうか？

予定では20時に家を出る予定だった。

盗聴器と発信器を見つけた彼はすぐさま発信器を逆探知して、今夜の標的が自分の妻に付きまとっていたと知った。

そこから自分の妻に早めに出ることを伝えてから出発したのだ。

…居ても経ってもいられなくなったのか？

違う。そう、違うのだ。

すぅ、と息を吸って、吐き出す。

「…今夜は、ここまで」