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約束 ページ24

膝をついた。

男の目が光り、私の首を掴もうとしたその時、彼が吹き飛んだ。


正確には、“殴り飛ばされた”が正しいだろう。
彼の体は宙を舞い、甲板に頭から落下した。

今度こそ、意識を失ったようだった。


彼を殴り飛ばした人は

『れ、いさん…』

「A…っ」

腹部から血が溢れていた。
それでもお構いなしに私を抱きしめた。

あの、大好きな温かさだった。


「…俺は怒ってる。
命を投げ捨てるような危険なことをするな、と言ったのに守らなかったし」

『…はい』

「悩み事もあるんなら言って欲しかった。
俺とAの関係が、俺を巻き込むって思ったのか?」


『……気付いていたんですか』


「気付いたのは今日だ。ベルモットとの関係も言って欲しかった」


『……すいません』



「いいや、許さない。絶対に許さない。
何の相談もしてくれないし、危険なことはする。
謝っても許してあげない」


『…ズルい人だな。
こっちは心配してたんですよ』


抱きしめられていた体がゆっくりと離れていく。

向かい合う形になり、零さんの瞳と目があった。


「俺はズルい人間だから状況も考えないし、1度しか言わない。

よく聞いておけ」



少し肌寒い、海の風が体を吹き付けた。









「A、お前を独りにしない」









月は、私達を祝福するように優しく夜空を照らした。

明日を、生きてみせる→←幻想の夢想



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paranoia(プロフ) - ありがとうございます!次章もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです…! (2018年4月1日 22時) (レス) id: 1c11084766 (このIDを非表示/違反報告)
ロミオ(プロフ) - 4章も終わりおめでとうございます!結婚のやつもぜったい見ますね! (2018年4月1日 10時) (レス) id: ebb52c12f2 (このIDを非表示/違反報告)
paranoia(プロフ) - 最近更新遅くなっていますが、この作品を楽しんでいただけているみたいで正直とても嬉しいです( 〃▽〃)これからも頑張ります! (2018年3月30日 17時) (レス) id: 1c11084766 (このIDを非表示/違反報告)
ロミオ(プロフ) - めっちゃ面白いです!すごい好きです、この作品!更新楽しみにしてます! (2018年3月30日 15時) (レス) id: ebb52c12f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:paranoia | 作成日時:2018年3月26日 23時

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