霧晴15:小説よりも ページ15
午後7:00。
倉庫の扉の前に気配を感じた。
カチャカチャ、と金属が擦れ合う音がして、しばらくするとガチャリと鍵が開いた音がした。
扉を乱暴に開けた男とその後ろにもう1人男がいたが逆光で顔が見えない。
「…よう。監獄生活はどうだい?」
と2人の内の1人が話しかけてきた。
「快適だよ」
と、自分は2人を睨み付けた。
1人は1件目の時、被害者にライターを返しに来た男。
もう1人は小太りの男だった。
小太りの男がナイフを取り出した。
「…お前らが、一連の事件の犯人か。」
ライター男は一歩此方へと近付き“ああ”と答えた。
「最初は1件目の男だけを殺す予定だったが、殺意が芽生えた。
止まらなくなったんだよ!」
男は不気味な笑いを飛ばした。
恐らく、もう自分では止まることは出来なくなったんだろう。
「此処には袋のネズミの女がいる。
それを殺さない訳にはいかないよなぁ!?」
小太りの男は自分にナイフを向け、攻撃してきたが、なんとかかわしていった。
「無駄だぜ?コイツ、ちょっと小太りだけど殺すことに関しては一流なんだからよぉ」
ニヤリと笑ったライター男の笑みには狂気を。狂喜を感じた。
小太りの男の腕を掴み投げると
“オレは”
こう言った。
「残念だったな。
俺はお前らが知ってる女じゃない。
オレの名前はリンネ。
輪廻の神に作られたからっていうありきたりな理由だがな。
…まぁ、何でもいいや。
オレの妹を傷つけようとしたんだ。許す筈がないだろ」
オレは服の中に手を入れてナイフを取り出した。
「この国には“袋の鼠”という言葉がある。
けれど、“
という言葉もあるんだ。
言葉通り、噛み千切ってやる!」
その言葉に焦りを感じたのかライター男は、小太りに何か声を掛けると部屋の外へと走って出ていった。
だが、こうなることは分かっていた。
オレは追いかけることなく、目の前の男に集中した。
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paranoia(プロフ) - ありがとうございます!次章もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです…! (2018年4月1日 22時) (レス) id: 1c11084766 (このIDを非表示/違反報告)
ロミオ(プロフ) - 4章も終わりおめでとうございます!結婚のやつもぜったい見ますね! (2018年4月1日 10時) (レス) id: ebb52c12f2 (このIDを非表示/違反報告)
paranoia(プロフ) - 最近更新遅くなっていますが、この作品を楽しんでいただけているみたいで正直とても嬉しいです( 〃▽〃)これからも頑張ります! (2018年3月30日 17時) (レス) id: 1c11084766 (このIDを非表示/違反報告)
ロミオ(プロフ) - めっちゃ面白いです!すごい好きです、この作品!更新楽しみにしてます! (2018年3月30日 15時) (レス) id: ebb52c12f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:paranoia | 作成日時:2018年3月26日 23時