今日を、生きれるかな【降谷零】

不眠の痛覚―１ ページ9

周囲の反対を押しきって、父と母は高校卒業と同時に結婚したらしい。


けれど、父と母は私が物心ついたときから仲が良くなかった。


父は朝から仕事に出て、夜遅くに帰ってくる。

母は日が出ている間は眠っていて、夜遅くに外へ出る。


顔を会わせたらすぐに喧嘩。

私がいるから喧嘩ばかりになる、というのを聞いたことがキッカケで二人を笑わせようとしたのが始まりだった。






可笑しな行動やら話やらで機嫌を取ったりすることで、二人が楽しげな表情を浮かべる。
そして、自分の身の安全を取ろうとした。









…でも父が、会社の人と不倫をしているのを知った。

母は夜の街へと繰り出すようになった。




…私には、何もなかった。

絵本を読んでくれる人も、明日を約束する友達も。









私が、もっとちゃんとしなくちゃ。

父さんと母さんを繋ぎ止めることが出来るのは、自分しかいないから。

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