今日を、生きれるかな【降谷零】

前哨戦:友好条約 ページ31

「そういえば、Aさんって普段どんな格好してんの？」

ふと、園子ちゃんがそう言った。

『どんなって、今着てるような服だな。
家にあるのも大体こんな感じ』

と言うと「え〜！？」と女子二人が言った。

「あ、それ分かるなぁ」と言ったのは真純ちゃんだった。


『お、分かるか真純殿。
拙者は動きやすい服が好みでな』

「あっはは！拙者も同じでござるよ。
やはり気が合うのう、お主」

とノッてくれた。純粋に嬉しい。


『まぁ、そんなこんなで服がなくて困ってたわけだ。』


「そういうことなら任せてAさん！
…それにしても、ちょっと嬉しいな。」

『え？』


「前の話し方も好きだったんだけど、今の方が好きかな」


「うん、なんか距離が縮まったように感じて嬉しいです。
距離を感じる、というよりか少し線引きされていたように感じて…」




…確かに、線引いていたと思う。



そうすることで自分の正体を探られることなくしようとしていた。
…つまりは恐れていた。


それが、彼女たちにとっては嫌な思いをさせてしまったんだろう。



「だから今日はもっと仲良くなりましょうAさん！」


『…おう。仲良くなろう！』

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