今日を、生きれるかな【降谷零】

前哨戦:女の共同戦線 ページ29

今日ポアロに行くと安室さんが今まで見たことがないような素晴らしい笑顔で「遊園地に行きませんか」と言ってきた。


もしかして何か企んでいるのではと思ったがその笑顔を見ていると悪意がないのは容易に分かった。

特にこれという理由もないし、仕事の都合も丁度良かったので受けることにしたのだが、大問題が１つ。






―服を持っていないのだ。

スカートとかそういうオシャレ着を持っていないというか、そういう概念すら持っていなかったのだ。


普段の服装と言えば、

Tシャツ、デニムのジーパン、お尻位までの長さのパーカー、ブーツ


といった具合である。

以前輪廻の神様が用意してくれた。といっていたが、スカート類などの可愛い系は捨ててしまったのだ。

ホンット私ったら馬鹿ね☆←

似合わないからって捨てるんじゃなかった…

例え安室さんに他意はなく、ただ遊びに行くってだけだろうと、流石に服装だけでも綺麗にしていきたいというのが私なりの女心なのである。



どうしようかとトボトボとポアロから帰っていると前から蘭ちゃんが歩いてくるのに気づいた。


『おーい、蘭ちゃーん！』


パァッと笑顔になる蘭ちゃんを見て“スカートとかってああいう子に似合うんだな”と少しダメージを受けた…←


「Aさんっ！こんにちは！」

『こんにちは、蘭ちゃん今帰り？』

「はい。…あれ？Aさんどうしたんですか暗い顔して」

『あ〜…分かる？実はだな…』


と経緯を簡単に伝えると“なるほど”と一言言い、こんな提案をしてきた。


「それじゃあ、今度の金曜日一緒に服を買いに行きましょう！」


『お願いシャｧｧｧｧｧス！！』

考える暇もなく、ただひたすらに頭を下げた。


今日は水曜日。
遊びに行くのが日曜日。

そうなると金曜日というのが妥当な判断だろう。

それに、現役女子高生の手助けもあるのだ…。
JKといえば女の何たるかを知り尽くした種族なのだから服を選ぶのは彼女達の得意技でもあるだろう。
(因みに私がJKの時はJKらしいことをした覚えがない)


それならば一人で選ぶよりも彼女に見て貰った方があまりにも賢明な判断だ。


「か、顔を上げてくださいAさん。
それに、私も一緒にAさんとお買い物したくて…」

『本当にありがとな…蘭ちゃん』









▽A、服を買う

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