今日を、生きれるかな【降谷零】

My dear, my dream―1 ページ2

リンネside

気がついたら何かに浮遊している感覚だった。

もう、何も感じない。

ーオレは死んだ。


「そうじゃ、死んだ。確実にな」

…輪廻の神様ってやつか。久々だなぁ、元気にしてたか？

「元気もなにも、勝手な真似をしおって…！」

だってさ、勝手にアイツらが殺してきただけだぜ？
オレ悪くないもん？


「それはまだ良いとしよう。しかし何故、あの女がまだ生きているのじゃ？」


あ〜…そういうこと？

輪廻の神様(おまえ)ならもう既に分かっていると思ってたが…。

オレはただの人格。
しかし、Aは人間だ。

つまりは

“Aの肉体の死=人格の1つ(オレ)の死”

だけど、

“オレの死=Aの死ではない。”

つまりは、だ。

オレがAの肉体の死を阻止すればAの死は免れる、っていう仕組みだ。

「それでお前が女の代わりに死んだと言うわけか…。愚かにも程があるぞ、貴様」


それはとっくに承知済みだ。
けど、どうあがいたってオレの死は確定事項だった。
それならAを生かすことに一生懸命なるのは悪いことではないハズだぜ？



「しかし、あの女には何もないのだ。
死んだことにより生前のような家族だっていない、今まで一緒にいた友人も。
だからこそお主には“人間”としてではなくて“人格”としてあの女の心に寄生させていたのだ。」



寄生って、言い方…(笑)

Aは、嘘で生きてきたんだろう？
嘘という絆で家族や、周りの奴らと生きてきた。


死んでからはオレがAの一部になることで空っぽな隙間を埋めたってわけか。
それにしても、輪廻の神様はやることがくどすぎるな。

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