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健「いやぁっ、びょーいんっ、ないないぃっ」
正「分かったからまず落ち着いてや笑」
泣いて疲れて、泣いて疲れてを繰り返すけんくんに、俺らも本人もみんなくたくた。
電車やバスは使えへんってことで大晴に車もってきてもらって、何も言わずにけんくんを乗り込ませたんやけど、
見慣れた外壁をみて今から自分が何をされるのか察してしまいまたも大泣き。
福「はいっ、とうちゃーく」
健「ふぇぇぇっ、ッヒク」
個室に入れてもらっても大晴にずっと張り付いて離れないけんくんをみて、
医「いやー、今日も元気に泣いてるねえ笑」
正「朝からずっとこの調子なんですよ」
健「けんくんっ、げんきやもんっ…」
福「こんなあっつい体で何言うてんの笑」
医「けんくんのお体をもしもしするだけやからね、」
そう言って手際よく診察を進めてくれる先生と看護師さん。
医「ほんとはインフルエンザの検査もしたいんやけどなぁ、けんくんの場合はただの秋風邪やろうし、関節痛もないんやったらせんくてええ……かな、」
これで泣かれてさらに体温上がってもうたら元も子もないしな、と付け足される。
正「よかったやん、けんくん痛い検査しなくてええって!」
健「ッヒク、ほんま……?」
医「ほんまやよ〜。……まあ、あとは解熱剤の点滴だけして帰ろっか。」
すっかり安心しきったけんくんは、先生がさりげなく放った恐怖の言葉にも気付かず再び大晴に抱っこを求めてる。
正「大晴、そのままベッド寝かしたって」
福「ほいっ、動かんでな……」
健「?、たいせ、?」
なんのことか分かっていない様子のけんくんを動かないように固定して、
医「ちょっとチクッとするからね、動かんといてや」
健「っっ!!………ふぇぇぇぇんっ!」
正「よしよし、よう頑張った!」
医「頑張ったなぁ、この液が全部無くなるまでゆっくりしてて?」
健「うわぁぁんっ、やぁ、やっ!」
驚きのあまり大パニックになってたけど、、
看「はい、これどうぞ〜」
健「ん、……ありやとっ」
頑張りましたの証で戦隊モノのシールをくれたおかげで、ちょっとだけご機嫌も回復した様子。
健「けんくんっ、いたいいたいやったのっ、びっくぃ、、したぁっ」
福「そやな、びっくりしたな?、でも頑張れてたの偉かったで〜」
正「もう少ししたら楽になるからな、」
眠さからかぽやぽやしてきたけんくんを膝に乗せて、ゆっくりお喋りしながら点滴が終わるのを待つ。
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作者名:みお | 作成日時:2023年10月9日 17時