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寝ぼけている健くんは、どうやら晶哉くんが忘れ物のために家を出たということを忘れてしまったようです。

健「……ふぇぇっ…まぁくっ、ねんね…ッヒク」


時刻はもう22時半。普段の健くんなら寝ていてもおかしくない時間です。
しかも今日はお昼寝をする時間がなかったので眠気は最高潮。



そんな回らない頭で一生懸命考えて思いついたのは…



健「まぁくっ、、けんくん…のことっ、ないない、したぁぁっ」


晶哉くんは自分を置いてどこか遠くへ行ってしまったのでは、という考えでした。


健「けんくんっ、やぁやっ、、、っぁ、」


怖くて寂しくて、間接照明の少しの明かりしかない寝室の床に座り込んで涙は止まりません。



どうにかして晶哉くんに会えないかと思ったその時、健くんは自分の左手が握っているものに気づきます。

それは、晶哉くんが家を出る前に握らせてくれたスマートフォンでした。


健「もしもしっ、まぁくんっ、、もしもししゅるっ、ッヒク」


涙でぼやける視界の中で必死にスマホを操作して、相手が誰かも確かめずに連絡先の1番上をタップします。

ブーブーブー



?「んー、、こじま?………いや、さのか?」


どうやら電話をかけた相手は晶哉くんでは無かったようです。


でも、電話先から聞こえてくるのは、聞き覚えのあるいつもの声でした。


健「んっ、……まぁくぅっ、まぁくっ、、んわぁぁーーんっ、!」

?「え、ちょ、こじま?泣いとんの?」


突然の大泣き電話を受けて困っている彼とは…


誠「こじまー?どしたんよぉ」


末澤誠也くんでした。





said せいや


バラエティのロケ終わり。俺1人でロケに呼ばれることなんて少ないからいつにも増して疲れが襲ってくる。


どうせ明日の朝イチで東京行くからって今日は大阪のホテル泊まることになってるから、珍しい送迎車の中でうとうと…してたときに、



ブーブーブー


誠「ん、?」


ポケットの中で震えるスマホ。めんどくさいけど取り出せば、ディスプレイに表示されたのは「こじま」の文字。

小島が幼くなるようになってからの連絡は佐野を通してすることが多いから珍しいなぁと思いつつ、
ここで無視して、もしなんかあったらどうしようとか思って緑のボタンを押すわけなんやけど、


誠「こじま?……いや、さのか?」



電話に出ても何も聞こえへん。

なんや間違い電話やんか、と切ろうとした時に、



楽屋でよーく聞くいつもの泣き声が聞こえてきてん。

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作者名:みお | 作成日時:2023年10月9日 17時

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