六つの光、一つのキセキ (ページ10)

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唐紅の燈ページ10

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健「えーっと……あ、新しい醤油買いに行かな」

すっかり生活感に溢れた冷蔵庫を見て、一ヶ月前には口にしたこともなかったような言葉をぽつり。

まぁ、主に使ってんの晶哉か大晴やけどな

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11月初旬に晶哉と出会ってから1か月と20日、

正門さんとは1か月、

大晴とは2週間。

人と出会ってからの日数をこんな正確に覚えてたことなんて今までにないと思う。

年齢も環境もまるっきり違うけど、上手くやってけてるのは紛れもない事実。

大晴とやってすぐ打ち解けられたし、晶哉や正門さんも彼のことを理解してくれた、

名前も呼び捨てにしようてなったけど、大晴は俺の事呼び捨てに出来んからって「こじけん」ってあだ名つけてくれたし。

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ちょっと遠いスーパーの方が安いからって理由で来てみた街は、
クリスマスとかいうリア充の祭典を目前に控えイルミネーションやらツリーやらでキラキラと輝いている。

すっかり冬となってしまったこの季節の、ましてや夜遅くなんかに半袖短パンとサンダルで出てきてしまったことに微かな後悔を覚えながら……

いや、そんなことより徒歩20分で着くと書かれていたのに30分歩いても着く気配のないスーパーに対しての方が苛立ちは増すばかり。

健「やっべ、まじか……」

結局35分かけてたどり着いたスーパーで買い物を済ませ、外に出た瞬間に俺の頬を濡らしたのは大粒の雨。

もちろん、傘なんて持ってきていないし、折り畳みを持ち運ぶほど偉くもない。

雨宿りも考えたけど……調べてみたら、この黒い雲の塊はあと何時間もここに居座り続けるらしい。

どうせ後でシャワー浴びるんやし、今濡れたって一緒やろ。

ビニール袋片手に、びしょ濡れの髪をぐしゃぐしゃと掻き乱しながら歩く。ネオンに彩られた街を過ぎた頃には雨は本降りになっていて、あたりは真っ暗やった。

はよ帰らな明日に響くわ……なんて考えていると

健「え……？おばけ……」

十数メートル先、住宅街の塀沿いで、うっすい街灯の明かりに照らされて浮かび上がる影がひとつ。

風になびく服から見え隠れする肌の白さが暗闇でも分かり、
ほんまにお化けかと思ってん、けどちゃうわ。

よろよろと頼りない足取りで歩くその人は、

小柄で華奢な…………男の子……？

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どーしても新作が書きたくなったので、一旦更新停止いたしますm(_ _)m