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健「え、どうしたん？福本くん？」
福「……っ…はあっ、…ふーっ…」
俯いたまま固まってて、必死に呼吸を整えてる。
先生が怒鳴る度に背中がビクッと動くから、おっきい音が苦手とか？
健「どうしたん、どっかしんどい？」
福「ん、、ごめっ……もう、大丈夫」
真っ赤に潤んだ目で大丈夫なんか言われたって説得力ないわ。
健「しんどいとかないん？」
福「……ちょっと。でも大丈夫だからさ、」
健「ん、授業あとちょっとやからな」
話したがらないんやったら無理やり聞き出すのも違うし。
おじさん先生もひとしきり怒鳴ったらもう怒りがおさまったようで、何事もなかったのように黒板に向き直っとる。
隣に座る福本くんが気になって仕方ないけど、また真剣にノートを取り始めたからとりあえず俺も黒板に目を向けておく。
福「あー、あの、さっきはすみませんでした、心配かけて。」
健「いや、全然ええんやけどさ、どうしたん？」
福「えーっと……その……HSPってやつで…」
健「えいちえすぴー？」
福「簡単に言えばいろんなことに人より敏感…みたいな。」
健「なるほど、」
福「それで…最近特に怒鳴り声とかに敏感になっちゃって…」
健「最近？なんかあったん？」
福「えっと、ここだとあれなんで……」
健「せやなぁ、なら俺ん家くる？この後空いてたらやけど」
福「……お邪魔します…」
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福「僕、10歳の時に色々あってその時からずっと祖母と二人暮らしなんですけど、最近祖母が認知症になってしまって、それでいきなり怒鳴られたりするんです。優しいおばあちゃんだっただけにショックで……」
ごめんなさい、わかりにくいですよね。なんて笑って付け加えるその瞳は潤んでいた。
健「今、おばあちゃんは？」
福「日中はヘルパーさんに頼んでます。その間、俺できること何もないんでなるべく外で時間潰したいんですよね…笑」
健「そっか………あ、じゃあさ、そういう時は俺の家来てもええで？俺も話し相手おる方が楽しいし！」
まだ若いのに1人で介護とか、いくらヘルパーさんがいるとはいえ精神的な辛さは計り知れない。
福「え、良いんですか？」
健「もちろん、俺で良いなら話でもなんでも聞くで？」
福「じゃあ…お願いします」
健「ん、決定な！
あと、敬語やめてや？タメの方が楽やし！」
福「あ、はい。分かりま………わかった、」
健「そうそう、その調子や笑」
俺の友達が、また1人増えました。笑
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作者名：みお | 作成日時：2023年8月22日 16時
