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健「小島健、この大学の二回生。でも一浪してるから今21歳。もう知ってるやろうけど、このハンカチに書いてあるバンドが大好きです笑
俺についてはこんなもんかな。
えっと君は……」
？「あ、僕は、福本大晴、この大学の二回生で今20歳です。
僕も、そのバンド、大好きです」
健「え、二回生なん！てっきり一回生の子やと思ってたけど俺と同じなんやな。
年齢はちゃうと思うけど笑」
福「そうですね…笑」
近くで見ると愛嬌のある可愛らしい顔をしてる。長い前髪が顔を隠しているけど、ときどき見える目が澄んでいて、
なんやろう、不思議な子。
大学に入ってからなるべく友達は作らないようにしてた。そもそも作る余裕も時間もないし。
でもなんか、悪くない。
福本くんが特別なのか、俺が変わっただけなのか。
分からないけど
あの頃よりかはずっと良い、ずっと楽しい。
熱のこもった語り合いは、飽きることなく気づけば何十分も経っていて。
健「あ、俺三限に授業あんねん、そろそろ行かな。福本くんは？」
福「僕も次です、西棟の第一講堂で西洋史の講義ですね、」
健「ああ、それ俺も同じ講義やわ！ちょうどええやん、一緒に受けよ」
福「そうなんですか？良いですね、一緒に受けたいです」
次の講義がたまたま一緒。……てことは、今まで一緒の授業受けてきたってことやんな？運命やん笑
「〜〜の〜〜により、のちに世界で……」
いつもと違う後ろの方の席に並んで座る。あまりの眠気に先生の声がお経のように聞こえるけど、このおじさん居眠りだけでえぐい剣幕で怒鳴りつけてくるタイプやからなんとか意識を保たな。
隣で真面目にノートを取る福本くんを横目に、後で見せてもらえればええかなんて考えて。
あかん、そろそろほんまに意識飛ぶわ……
バンッ
「おい、そこ、なにしてんだよ！！！」
健「………？？」
教卓を叩く痛そうな音が大音量で講堂に響き、目が冴える。
前の方の席に目を移すと……ああ、やったな。
怒鳴られてビビってる奴の手にはスマホ。いくら授業がつまんなくても、そんなことしたらそりゃ怒鳴られるわ
頭ごなしに怒鳴りつける声が立て続けに聞こえて、これは長くなるなと周りも呆れ気味。
健「なあ、福本くん。先生が怒鳴ってる間にノート見せてくれへん？あの調子やと長くなるやろうし笑」
せっかくやったらこの無駄な時間を有意義に使ってやろうじゃないかと小声で提案した……んやけど、、、
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作者名：みお | 作成日時：2023年8月22日 16時
