青いスーツ ページ4
「よっ！まさやお疲れ様！」
晶「あー、小島くん！お待たせしましたー！」
運命の出会い(？)から数週間。ほぼ毎日会うようになって、“佐野くん”から“晶哉”呼びに変わったし、晶哉の敬語もラフな感じに抜けてきた。
こんなに仲良く話せる友達なんて最近おらんかったから、ほんまにめっちゃ楽しいねん
まあでも、言うてもお互い学生で、ましてや晶哉はまだ高校生。
夜遅くまで引き止めとくのは悪いから、最近は余裕があれば俺が晶哉の家に行くことも。泊まらせてもらうことも何回かあって、その度に仲良くなって。
今日だって、明日は祝日やしバイトもないってことでいつものコンビニ裏で適当に夕飯済ませたら俺の家に泊まってくことになってる。
汚い俺の家で食べるより、外で食べた方が美味しく感じそうやん？笑
晶「コンビニ飯って案外美味しいんですねー」
「確かに、まさやっていつも自炊してるよな。
友達とご飯行ったり遊んだりとかしないん？」
晶「んー、周りはみんな受験勉強で忙しいんで遊ぶとかないっすね。そもそもそんな仲良い子もいないし」
「あー、そうか。まさや受験生か！
え、ごめんな俺なんかと遊んでたら勉強する時間とれへんよな？」
晶「いや、俺受験とかしないんで勉強しなくていいんです。小島くんと遊んでる方が楽しいから。」
「そっか……」
こういう話になると晶哉はいつも寂しそうな顔をする。本当は触れないでおくのが一番なんやろうけど、やっぱり放っておけないんよな。俺を引き込む何かがあるというか……
晶「え、！なにあれ」
「ん？どうしたん」
晶「あの木の下のとこ…なんかいる」
急に声をあげた晶哉が指す方を見れば、おっきい木の下に何か黒い塊が……？
「あ、あれ人ちゃう？スーツ着てない？」
晶「ほんとだ、男の人っすね。倒れてる？大丈夫かな」
近づくとだんだんはっきり見えてくるよれたスーツ。
そっと覗き込めば
「うわっ、顔整ってんなぁ」
目鼻立ちの良い男らしい横顔。目は閉ざされているけど、それでも分かる綺麗な二重幅。
スーツ着とるし、俺らよりちょっと年上ってとこかな
晶「いや小島くん、顔見てる場合じゃないですって。
おーい、大丈夫ですかー？」
？「ぅ……ぁ、？んん、、」
晶「よかった、意識失ってはなかった」
「お兄さん、こんなとこで寝てたら風邪ひくで？」
？「ああ、俺寝ちゃってた……」
晶「なんでこんなとこで寝てたんすか？」
？「それは……」
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作者名：みお | 作成日時：2023年8月22日 16時
