【間】 ページ7
【Aside】
久しぶりのフカフカとしたベットの上で寝返り、自分の首にﾋﾀﾘ､と指を当てる。
そして…まだ少し、心臓の鼓動が速いことを確認した。
窓から差す月の光をぼんやりと眺めながら、先程父さんから明かされた、「元天竜人だった」という過去の話を思い出す。
……天竜人。
初めてその存在を知ったのは、海軍に潜入してからだった。
聖地・マリージョアへ訪れた際に、稀に…
鎖に繋がれた人間や動物に乗り、鞭で打っては笑っていた。
シャボンディ諸島で、ある民間団体の護衛任務に派遣された時に見た天竜人も、同じ様な事をしていた。
ー…天竜人は、『神』。
その道を、その財を、その身体を、その命を。
全てを捧げなければならない、絶対唯一の対象。
「権力を振りかざし、人の命を何とも思っていない奴ら」だと、海軍の寮で同室になった奴の1人が言っていた。
ーー…俺も、天竜人に対しては正直、あまりいい印象を持っていない。
まァ、俺はたった2人・3人の天竜人を見て、彼らの話を又聞きしているだけだから、
実際の【天竜人】というのがどういうものか・彼らがどんな生活をし、何を考え・喜びとするかなんて、塵のように僅かな片鱗しか理解出来ていない。
いや、もしかしたら理解すら出来ていねェのかもな。
ーー…ただ、それでも……俺が実際に会った天竜人は………彼らは……ーー
『…勿体なさ過ぎる。』
耳が痛くなるくらい静かで、暗い部屋の中
ポツリ、と呟いた。
権力を使い、金を使い、人を使い。
暴力で屈服させ、上に乗り、笑い物にする。
それだけか？
アイツらは、それしかやる事が無いのだろうか。
もしそうだとすれば、本当に勿体ないな。
それでしか、喜びを感じず、その事しか考えられねェという、狭い視野だけの人生。
『……』
父さんは、【天竜人】に再びのし上がるつもりなのだろうか。
……権力と金で、人の上に立ち、残酷に殺すだけの【天竜人】になりたいのだろうか。
ーー…いや、それは無いかもしれねェ。父さんは国を手に入れると言った。
それに、父さんは【天竜人】に憧れを持っていても、【今の天竜人達】に対しては…むしろ嫌悪感を抱いている……と思う。
…。
でも、父さんの真の目的は？？
七武海になり、国を手に入れて、ーーその次は？
その先の望みは？
……。
・
まァ、どうであっても。
俺は父さんに従うだけだ。
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ラティ - 面白かったです。 (10月10日 21時) (
レス) @page19 id: 217334ba83 (このIDを非表示/違反報告)
紅掛きょん(プロフ) - 面白すぎて一日掛けて全部読んでしまいました！ドフラミンゴに沼りそうです！更新楽しみにしています！頑張ってください！ (5月10日 17時) (レス) @page19 id: 49dcbf2b4a (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 面白くて一気に読んでしまいました。更新楽しみにしてます！ (2023年3月4日 1時) (レス) @page19 id: 93afb517a4 (このIDを非表示/違反報告)
礼 - 一気読みしました！どストライクです 更新頑張ってください！ 応援してます！ (2022年9月19日 11時) (レス) @page19 id: eb2956f6d8 (このIDを非表示/違反報告)
パぁ - めちゃ好きです‼︎更新待ってます‼︎頑張ってください‼︎ (2022年7月10日 19時) (レス) @page19 id: c4c5830ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜星詩 | 作成日時：2020年3月18日 2時
