１２話 ページ14
shp side
それから俺たちは軍学校とは思えないような平和な日々を送っていた。
Aは座学はいつもトップだったし、実戦訓練もノリノリで参加していて意外にも結構強かった。たまたま訓練が一緒になる事もあった。
またある時、俺が怪我して帰った事もあった。
そんな時Aは
『私最近、軍医になってもいいって思う事があるの。そしたらいつでもショッピを助けてあげられるでしょう』
なんて言いながら手当てをしてくれた。軍医になっていいというだけの事はあって上手だった。
しかしそんな幸せな、のんびりとした日常はそう長くは続かなかった。俺たちの訓練中、不幸にも教官たちからだいぶ離れたところでテロ組織に襲撃されたのだ。
俺たち訓練兵は急な事にうまく対応できず、奇襲してきた銃を持っただけの一般人相手にかなり苦戦してしまった。迅速に状況を理解し、的確な判断ができたのはほんの一握り。その一握りに、Aは含まれていたのだ。一握りの優秀な訓練兵は戸惑う仲間を狙う敵を射撃し戦闘不能にしていた。
そして、俺は混乱するばかりの側だった。
どうやら俺が敵の射線に入ってしまっていた事を、俺は気づけていないらしかった。そこまで見えていたのは、あの場にはAだけだった。発砲音が聞こえた時にはもう何もかもが遅かった。気づけば俺はAに勢いよく抱きつかれて地面に倒れていた。そこで初めて状況を理解した俺は本当に不出来な訓練兵だったと思う。
俺をかばったAの右足は、太ももから先がなくなっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まくら(プロフ) - ルシュカルさん» ありがとうございます！初めてのコメント嬉しいです〜！ (2月10日 23時) (
レス) id: dfaa0d8ad8 (このIDを非表示/違反報告)
ぴのた - オ/リ/フ/ラ立ってますよ！はちゃめちゃに面白いんで応援してます！ (2月10日 20時) (レス) @page11 id: 3899174e41 (このIDを非表示/違反報告)
ルシュカル - 言葉遣いからストーリー、全てにおいてとても素敵で最高です。応援しています。 (2月10日 14時) (レス) id: 1f2be1491f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まくら | 作成日時：2024年1月13日 23時
