きみの声

２３話 。 ページ24

Ｋ side







今日もいつもと同じように家に帰ると、鍵があいていた。





中に入ると、久しぶりに見た靴が。









...今日はこんな時間に帰ってきたんだ。




男物の靴が無いということは、一人なんだろう。








リビングに入るとソファーで寝てる、お母さん。





近くにあったブランケットを掛けてあげると、





母「...ん、健人？」




母「おかえり。」




健「ｺｸｯ」






お母さんは夜の仕事をしてて、帰ってこない事も多い。




別にやりたくてやってるわけでは無いと思う。





僕が暮らせるように、自由に色々出来るように、働いてくれてる。




声が出なくなった時、お医者さんにはストレスと言われた。



いつ治るかわからないとも。




お母さんはそれを聞いて、自分を責めてる。






母「ごめんね。健人。」






お母さんは僕と話すたびに謝る。






それを聞くたび、悲しくなる。









親が喧嘩したのも、父親の暴力からだった。





お母さんはずっと耐えてたけど、耐えきれなくなって離婚した。




そんな二人を見てるときは確かに怖かったけど、お母さんのせいじゃない。





だから自分を責めないでほしい。




そう思ってるのに、

なんの言葉もかけられない自分が嫌になる。




声が出なくても、伝える方法はあるはずなのに...

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