Rain

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新年度に入り、私も正式にジェネの専属ヘアメイクになった


しっかりお給料も出るから、みんなに早く引っ越せって言われるけど、中々引っ越せない


今の家に愛着が湧いてきたっていうのもあるけど、


何より、なっちゃんと家が近いから



特に一緒に帰るわけでも、お家に遊びに行くわけでもないけど、あわよくばどこかで会えるんじゃないか、なんて思うと引っ越せない。


新年度が始まったと同時に本格的に動き出したBOTプロジェクト


最近は毎日リハーサルがある。


リハの日は私行く意味ないから休みが増えた


それを知ってか1ヶ月ぶりに送られてきたLINE




夏喜今日リハだけなんだけど、夜ご飯行かない?


行けない理由を必死で探すけど見つかるのは
"これ以上好きになりたくないから"
そんなことなっちゃんに言えるわけない


A大丈夫だよ!終わったらLINEしてね、待ってる


そう返事して電源を落とした


そうと決まれば可愛い格好…


なんて思ったけど、私が好きな服は可愛いとはかけ離れてる


メンズの服ばっかり…


玲於くんは"いいじゃんそういう女子新鮮で、誕プレとか選びやすい"


なんて言ってたけど嘘かホントか分からないからあんまり信用してない


結局いつもの服にニット帽を被って家を出た


今日は私が先に着いた


数分後肩を叩かれて振り返ると見覚えのある不審者


夏喜「ごめん、遅くなった」


A「全然、今来たとこ」


夏喜「今日も居酒屋だけど、大丈夫？」


A「全然大丈夫笑」


美羽さんと行く時はオシャレなところ探すのかな…


夏喜「今日の服めっちゃいい」


A「え、ほんと？」


夏喜「うん、A服のセンスいいよね」


A「最近、女の子っぽく無さすぎかなって悩んでたから嬉しい」


夏喜「俺はめっちゃ好き」


A「ありがとう笑」


夏喜「今日相談あってさ」


A「美羽さんのことでしょ？」


夏喜「え、なんで分かるの？」


A「なんでだろ、笑」



今日もなっちゃんがカルピスにするか聞いてくれたけど、
酔わなきゃ美羽さんの話題は乗り切れそうにないから、
ビールを頼んだ


夏喜「ほんとに大丈夫？」


A「うん、1杯だけにする」

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