Rain

25 ページ25

龍友「美羽ちゃんはな、ファンタの専属メイクさんやねん
なっちゃんとは幼稚園から一緒で
同じとこで働いてんのはホンマにたまたま」



なんだ、それこそ運命じゃん



A「凄い、運命ってあるんだね」


龍友「いや、それがな、問題はこっからや

美羽ちゃん、颯太と付き合ってる」


A「…え？」


龍友「なっちゃんが美羽ちゃんのこと好きなんは、ジェネの俺らとファンタのパフォーマーのみんなは知っててん
でもあとから入ってきたボーカルの颯太たちは知らんくてな
出会ってすぐ颯太と美羽ちゃんはいい感じになって、なっちゃん言うタイミング逃したみたいやわ」


A「そんなの、なっちゃん可哀想」


龍友「それはAがなっちゃんのこと好きやから
や。」


龍友「恋してる時はみんな必死で
誰かの恋が実っても傷付く人はいる」


それはそうだ、なっちゃんの恋も実ってないけど、それによって私の恋も必然的に実らない。


龍友「でも、1つ颯太もなっちゃんも可哀想なのは、美羽ちゃんがまだなっちゃん離れしてないとこかな」


A「今日も颯太くんじゃなくてなっちゃん呼んでた」


龍友「美羽ちゃんは時々颯太より、幼なじみのなっちゃんを優先するから、颯太も可哀想やし、なっちゃんも諦めきられへんのやろうなぁ」


A「聞かなきゃ良かったな」


なっちゃんがそんな思いするなら、私が助けたい


また諦めることが遠のいた


龍友「着いたで」


A「うん」



A「ここでいいよ」


龍友「何言うてんねん置いてくで」


A「え〜」



そう言って歩いていった龍友くんを追いかけた



龍友「どっち？」


A「こっち」


龍友「ゆっくりでいいと思うで」


A「ん？何が？」


龍友「なっちゃんのこと」


A「んー、いいのかなぁ」


龍友「なっちゃんに彼女おるわけやないし、多分今すぐ諦めろって言っても無理やと思う」


龍友「ゆっくりでいいねん、その代わり、メンタルやられるから覚悟しーや」


A「やだな、」


龍友「そういう時はまた焼肉連れてったるから」


A「頑張れそう笑」





A「ここ」


龍友「は、大丈夫なん？」


A「何が？」


龍友「オートロックあるとこにしーや」


A「スーパースターとは違うんです」


オートロックがある家なんて住んだことない
　

龍友「まじで気をつけや」


A「大丈夫」


龍友「じゃあおやすみ」


A「うんありがとう」


暖かい人だなあ

26→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す