我儘 ページ18
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あれからすっかり風邪が治った私は仕事に復帰して、バリバリ働いていた。今日はしのぶさんの薬の調合のお手伝い。
「Aさん、今日はここで終わりにしましょうか」
「え?」
「顔が疲れてらっしゃいますよ。」
しのぶさんのお仕事のお手伝いをしていたら、しのぶさんが私の顔をじっと見つめいた。
「今日はゆっくり休んでください」
「でも、」
「気にしないでください」
そう微笑まれてしまったら、頷くしかなかった。
思えば私は今日一日中、上の空で仕事に集中できていなかったかもしれない。
「すみません...ありがとうございます」
「いえいえ、また明日もお願いしますね」
しのぶさんはとっても優しい。
帰る場所がなかった私に、住み込みで働かせてくれたり、私が初めて来て分からないことだらけだったけど、1から丁寧に全部教えてくれた。
「しのぶさん、いつもありがとうございます」
そう言うと、しのぶさんは驚いたように少しだけ目を見開いた。
「こちらこそ」と言って優しく笑ってくれた。
今日はしのぶさんの言葉に甘えることにした。
「失礼しました。おやすみなさい」
そういって私は部屋を出た。
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いつもの寝る時間より1時間早く布団の中に入った。
本格的な夏が終わり、今はもう秋になった。
お風呂に入り寝巻きに着替え眠りにつこうと思ったがなかなか眠くならない。
いつもなら疲れていたらぐっすり眠れるのに。しかしいつまで経っても眠くならなくて、私は深いため息をはいた。
そう私がなかなか眠りに付けないのは善逸さんのことを考えていたからだ。
今日もずっと善逸さんのこと考えながら仕事をしていた。きっとしのぶさんにはそんなこと見抜かれていたんだろう。
善逸さんは今回長期任務でもう2週間も会っていなかった。
あんな恐ろしい鬼と戦っているなんて、考えただけで私は体の震えが止まらなかった。
怪我をしないでほしいなんて、鬼と戦っている人に言う言葉ではないかもしれないが、それでもやっぱり心配だ。
それと同時にさびしい、と思ってしまった。
早く帰ってきて欲しい。
いつから私はこんなに我儘になったんだろう。
もう考えるのはやめよう、そう思って首を横に振った。
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みーたん(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!(´・ ・`)最後まで見て頂きありがとうございましたっ! (2020年1月26日 19時) (レス) id: 40e3eec196 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - お疲れ様でした!素敵なお話をありがとうございます! (2020年1月25日 2時) (レス) id: 203d84a786 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん(プロフ) - りつ@推しが尊い連盟さん» 本当ですかぁぁ!嬉しいなぁ!(*_ _) (2020年1月21日 20時) (レス) id: 40e3eec196 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@推しが尊い連盟(プロフ) - 好きやぁ (2020年1月21日 17時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
みーたん(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます!!これからもずっと見守っててください!!(´+ω+`) (2020年1月21日 2時) (レス) id: 40e3eec196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美夕 | 作成日時:2020年1月15日 13時