貴方に愛されたかった【 YG 】 (ページ24)

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家に入ると両親の元に案内される。

豪華絢爛な家具が輝いている。使用人達が手入れをしてくれるおかげで輝きを保つ家具達。

両親の気まぐれで買われた家具達だが、使われている訳では無い。家具のはずなのに家具として使われていない。

物に可哀想だなんて感情移入するなんて私は相当気がおかしくなってるのかもしれない。

以前なら何も思わなかったのに。

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母『遅かったわね』

広めの客間に通されると、そこには両親がソファにふんぞり返って座っていた。

「遅くなり申し訳ありません。パクA 、到着しました」

遅いも何も私に非は無いけれど、ここは謝る場面。

両親のどちらかに座る様に促されるまで私は座れない。促されなければ立ったままだ。

父『何で呼び出されたか分かるか？』

一言目に促されなかったということは、話が終わるまで立ちっぱなし、中々辛いなあ。

「分かりません」

何となく検討は着いているけど、きっと答えれば分かっていてどうしてこうなったと責められるに違いない。だから私は安全策を取る。

母『はあ ... 私達は貴方をパク家の一員として育ててきました』

「はい、感謝しております」

母『どこにだしても恥ずかしくないように礼儀作法も何もかも教えて来たつもりです』

母『それなのにどういう事ですかこれは』

バンっと机の上に出されたキムユナとユンギさんの写真。

母『こんな女にユンギさんの気持ちを奪われるなんてどういう事です』

「 ... 申し訳ありません」

母『情けない ... 』

「お母様 ... 」

お母様が頭を抱える。その横でお父様が宥める。

父『とにかく、その女からユンギ君を奪え。手段は問わない。何としてでも我が物にするのだ』

これ以上私にどうしろと？

人としての道理から外れろとおっしゃるのですか？彼の心が私のものにならないのは私が一番分かっているのに。

父『不服か？』

「いえお父様、パクA 必ずやユンギさんとの婚約を成功いたしましょう」

口から出る嘘。出来っこないって分かってるけど、私にはイエス以外の返答が許されていない。