月 下 美 人 【 TH 】

34話 ページ34

「 あっ 、 私そろそろ帰るね 」



あ 、 もう昼過ぎか


早く帰らないと病院の人達が心配しちゃうよね




彼女と離れるのは寂しいけど 仕方ない




TH『 ん 、 送ってく 』


「 えっ 、 良いよ ！ 大丈夫 ！ 」



TH『 僕が送りたいの 』


「 え 〜 ... じゃあお言葉に甘えて 」



渋々了承してくれたけど

表情は嬉しそうで満更でもなさそう









.









TH『 外まだ寒いね 』


「 そうだね 、 でもテヒョナの手暖かいよ ！ 」



家から病院までは徒歩15分


少しでも彼女と触れ合っていたくて

彼女に頼んで手を繋いでもらっている


外の風は冷たいけど

彼女と繋いでる手は暖かくて

心も ぽかぽか する









TH『 もっとAと一緒にいたい 』


「 私もテヒョナと一緒にいたい 」







TH『 いつかAと結婚したいなあ 』



つい口をついて出た気持ち



彼女は目を見開いて驚いた後に

そうだね

とだけ言って俯いてしまった



TH『 あっ 、 ごめん 、 嫌だった ？ 』


「 ううん ！ 違うの ！ 」



顔を上げた彼女の瞳は不安げに揺れている









いつもそうだ






彼女は触れたら壊れてしまいそうな程


儚くて 、 綺麗で







距離を感じる









彼女は僕に何かを隠している






でも僕はそれを追求しないし

今後するつもりもない





追求したら関係が壊れてしまう気がするから





僕は本当に臆病者だ

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