月 下 美 人 【 TH 】

15話 ページ15

TH『 僕は君が好き 』



住んでる場所も 年齢も 名前も知らない

それでも僕は君が好き


君に恋をしている



TH『 去年も告白したけど 、 何年経とうと僕の気持ちは変わらない 』



彼女は口を噤んだまま

今日も喋らない


目には溢れんばかりの涙をためて

瞳は揺らめいている


月明かりに照らされた頬は 薄く桃づいている



TH『 だから 返事を聞かせて ？ 』



触れたら壊れてしまいそうな

そんな儚く危うげな 彼女の頬に


そっと手を添える




彼女は僕の手を取って握る



TH『 君の声で 返事を聞かせて ？ 』



彼女の目から 涙が零れる


それでも僕は喋るのをやめない



TH『 返事が無かったら 』








TH『 辛いけど もう会うのをやめよう 』



逃げるみたいで 格好悪いけど


待つのも楽じゃない

実際 この数年間 ずっと気持ちを煩わせてきた


いや数年間じゃない

きっと 君と初めて出会った時から




僕はずるいかな ？


君の気持ちも考えずに

こんなふうに返事を急かしてしまうなんて









お願い



お願いだから



TH『 もう1度だけ 言わせて 』



返事をして



TH『 好きです 、 僕と付き合ってください 』



君の気持ちが知りたい

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