月 下 美 人 【 TH 】

13話 ページ13

20歳の歳




今年は数年振りに大雪だ




来てくれるか分からない彼女を今年も待つ









彼女を待ってる間に

ひとり寂しく雪だるまを作ってると




背後でどさっと何かが倒れる音が聞こえた







驚いて振り返ると


彼女が倒れていて





駆け寄って彼女を抱き抱えると



頬は紅潮していて

息も上がっていてとても苦しそうだった





どうしよう



と思ったけど

彼女の家も知らない






僕が1人で慌てていると




｢ あいたかった ... ｣



彼女の声が聞こえた



初めて聞いた彼女の声


想像よりも凛として透き通る声



それでも少し風邪で弱々しい






不謹慎にも彼女の声を胸を高鳴らせた














しかし 、 倒れた彼女をどうしようかと考え


無断で悪いと思ったけど

僕の家に連れて帰ることにした









高校卒業してから一人暮らしを始めたおかげで

家には僕以外誰もいない









彼女を僕のベッドに寝かせる



すぐに暖房を付けて


ネットで 風邪 高熱 など色々調べて

試してみる









しばらくすると落ち着いてきたのか


彼女の呼吸が深くなった



ゆっくり寝ているようで安心した









眠っている彼女をまじまじと見て


綺麗だな って改めて思った



彼女に無理をさせたっていう罪悪感と

風邪なのにわざわざ会いに来てくれたっていう

喜びが混ざって変な感じ









それに事故だとしても


好きな子が 自分のベッドで寝ているなんて


夢みたいじゃない ？









それにしても 会いたかった って

あの言葉は 僕に対するもの ？


僕に会いたかったってこと ？









少しは期待してもいいの ？

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