killer (ページ5)

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__JKside ページ5

数日前の女の人の事を思い出しながら

ゆっくり歩いて通学していた

この間彼女が横を通り過ぎた時に
落としたハンカチ

もう1度会うことはないだろう

それでも彼女の事が忘れられず
そのハンカチを今日持ってきてしまった

洗濯しても微かに残る彼女と同じ香り

JK『これじゃあ僕が変態みたいじゃん...』

項垂れていると

彼女と同じ香りが鼻を掠めた

ハンカチからではない

もっとハッキリしている

ハッと見ると

正に彼女本人だった

たった1度見ただけだけど忘れもしない

数日前から僕の脳内を支配した張本人

咄嗟に腕を引っ張ってしまった

いきなりの事に彼女は対応しきれず
僕の方に倒れてきた

華奢な身体

鼻腔を掠める香り

思考が停止する

｢あっごめんなさい｣

彼女がお辞儀と共に謝りハッと我に返る

『いえ、こちらこそ腕引っ張ってすみません』

以前よりも至近距離で

面と向かって彼女の顔を見て改めて

綺麗だなあ

そう思った

『これ落としましたよ』

ハンカチの事を思い出して手渡す

差し出してから気付いたけど

これ数日前だし

彼女の事しっかり覚えてる僕気持ち悪くないか？

と思考を巡らしてると

｢ありがとうございます｣

少し彼女は戸惑って
でも受け取ってくれた

もしかして引かれた？

やっぱり僕気持ち悪かったかな？

『その、腕引っ張ってしまってすみません。
声かけたんですけど聞こえてなかったみたいで...怪我してませんか？』

言い訳がましくそう言ってみる

本当は声なんて掛けてない

咄嗟に腕を引っ張ってしまったんだ

｢むしろ支えてくれてありがとうございます。
私の不注意ですね、ごめんなさい｣

何も知らない彼女はそう言って
柔らかく微笑んだ

それを見て

ああ好きだ

そう思った

彼女が｢それじゃあ｣と言って

通り過ぎて行った後も

暫く僕はその場を動けないでいた

僕は彼女に一目惚れをしたんだ

そう脳が判断するのは一瞬で

初めての一目惚れに思考が停止した