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6話 人体模型 ページ7

折角時間に余裕があるんだ。少しは近所を散歩でもしよう。なんとなく、頭をよぎった。月浪の言う困った案件も少し気になるしな。少し大きい黒パーカーのフードを深く被り、外に出た。

 春になって外はポカポカしてきたが、まだそんなに日の入りは遅くない。学校の終わった後の空は緋色に染まっていた。公園ではまだ小学生が元気に遊ぶ声がする。勿論、そんなものに縁はない。なぜなら...
 物思いにふけていたその時、轟音とも呼ぶべき低いおとがした。方角的には小学校の方か。まさか困ったことってこういったことか?怪魔も時みたいに...なんだか物騒だ。そんなことはいい。音の鳴る方へ向かわなければ。

 小学校に着いた。多分、轟音の正体はこれだろう。物凄く大きな人体模型がいる。どうゆう成り行きかは知らないが、そういう類いの妖怪だろう。妖気も感じる。またまずいことに...
「ロングボウ・メサイア、浄化の矢」
 昨日と同じ要領で、弓を構える。だが...
「グガガガ」
人体模型はこちらに気づいたようだ。こちらに向かってくる。これじゃ弓は打つ余裕がない。暗示も効かないだろう。仕方ない、せめて雷だけでも。弓を持つ手と反対の手で雷を飛ばす。それも虚しく効果があまり無かったようだ。ダメだ、どうすれば...
 その時。
「召喚!幻獣、朱雀!」
何やら人が現れたらしい。ただ、幻獣を我が物にするとはかなりの人と見た...!?天野さんと月浪...!あれが、妖怪探偵団か?不思議な奴らだ。
召喚された朱雀は巨大な人体模型を圧倒していく。ん、今なら行ける。急いで弓を構える。あいつらが何を使おうと、私は私だ。成すべきことをやるだけ。
 矢を放った。見事に命中した。これくらいは当たり前だ。天野さんたち妖怪探偵団は少し驚いた様子だ。だが、助けられてしまったな。だが、ここでバレる訳にはいかないんだ。私は立ち去らないといけない。人体模型も落ち着いたからな。
「おい、助けたのにその態度はないだろ」
 幻獣を召喚したであろう少年が不満ありげに言う。私は助けろとは言ってないから。何とかする方法はあったはずだから。
「というか、あの弓はなんだ。そして一体何者なんだ」
面倒くさい奴だな、多分。恩はどこかで返そう。そうでもしないと根に持ちそうだ。長居したくないし。そろそろ歩き出そう。
 そう思った瞬間、風が吹いてきた。結構強い。こんな強風に吹かれたら...
「え!?五百雀さん!?」
 バレてはいけないことがまた、バレてしまった。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , シャドウサイド , 月浪トウマ   
作品ジャンル:アニメ
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Milkcat(プロフ) - 珠華姫さん» ありがとうございます!楽しんでもらえるような小説が書けるように頑張ります! (2019年8月7日 22時) (レス) id: f6a5fa765e (このIDを非表示/違反報告)
珠華姫(プロフ) - すっごくおもしろいです!更新頑張ってください!無理はしないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年8月7日 21時) (レス) id: 8b16303676 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - kotorin♪さん» 感想ありがとうございます!更新遅くなってしまってますが、出来る限り更新するので読んでいただけると嬉しいです! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 444fb6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 凄く面白いですね!続きが気になります!頑張ってください! (2019年7月28日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年7月19日 10時

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