38話 来る日のために ページ39
翌日。浴衣を買いに近くのショッピングモールに来ていた。平日ではあるが夏休みなため、学生が多いという印象を受ける。
「そういえば、浴衣と着物ってどこが違うのかな?」
ふいにそんな疑問を天野さんが問いかけてきた。姫野さんもなんでだろう、と考えている。なんと説明すべきか...
「はっきり述べれば浴衣は着物も一種とも言えるぞ」
「そうなの?」
好奇心で満ち溢れたような顔をして二人が見てくる。どういう顔していいか分からなくなるからやめてくれ...
「浴衣は着物より軽装だって言ったらいいか。昔は寝る時に着られていたものなんだ」
「へえーそうだったんだ」
「今で言うと着物は洋服、浴衣はパジャマって感じだな」
浴衣は私も寝る時に着ていた時期がある。和装を好む祖父といつも一緒だったから。着付けもできるくらいだ。
「そういえば私、浴衣の着方分かんない」
「着付けならできる」
そうなの?ありがとう、と言われてそろそろ終わるかと思っていた。
見ると二人はまた何やら違う意味でこちらに目を向けていた。
「五百雀さんって物知りだね!」
「頭もいいし、羨ましいなー」
正直、ここにはノーコメントだ。嫌味ったらしく言ってくる奴もいるから。褒められるは、正直あまりいい気持ちにはなれない。素直じゃないんだ、私は。
「なんか、大人なお姉さんって感じ!」
「うんうん分かる!」
「...一体何が言いたいんだ」
ートウマsideー
今日はアキノリと浴衣を選びに来ている。アキノリがいい着物屋を知っているって言うから、そこにいる。
「いっぱいあって悩むな...」
でも、個人的には青とか黒とかそういった色がいいと思っている。落ち着いた色味好きだし、第一僕には赤とか似合わないと思うから。
「この辺のトウマに合ってんじゃない?」
「ん、いいかも。これとかいいな」
アキノリのお陰で思いの外早く決めることができた。
帰り道、アキノリがこんなことを呟いた。
「折角の花火だからアヤメさんと二人で回りたいな」
アキノリは確かにアヤメさんに対する態度は他と違うけど、二人がいいんだ。よく分からないけど。
「そうなの?」
「そりゃそうだろ。トウマだって好きな人と二人でいたいだろ?」
「好きな人...うーん」
好きな人と言われてもピンと来ない。今まで全く考えたことないから。どうゆう人のこと言うんだろうか。
「あんまり、考えたことないかな。僕はみんなといられるだけで嬉しいし」
アキノリが笑った理由は僕には分からない。
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Milkcat(プロフ) - 珠華姫さん» ありがとうございます!楽しんでもらえるような小説が書けるように頑張ります! (2019年8月7日 22時) (レス) id: f6a5fa765e (このIDを非表示/違反報告)
珠華姫(プロフ) - すっごくおもしろいです!更新頑張ってください!無理はしないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年8月7日 21時) (レス) id: 8b16303676 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - kotorin♪さん» 感想ありがとうございます!更新遅くなってしまってますが、出来る限り更新するので読んでいただけると嬉しいです! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 444fb6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 凄く面白いですね!続きが気になります!頑張ってください! (2019年7月28日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年7月19日 10時