【妖怪ウォッチシャドウサイド】期待なんてしてない【月浪トウマ】

１４話　望まぬ再会 ページ15

勉強を教えるのは教師の仕事であると思う。だが、そんな時代は終わりを迎えたらしい。今は人に教えることが知識の定着にいい、と言われているそうだ。そういった変化は敏感に反応して受け入れていかないと今の御時世にすぐ置いてかれてしまう。とは言っても、教えるほど知識に自信はないが。
　今日も薄暗くなったさくら元町を歩く。買い物するとか言ってたから月浪はいない。１人の時間も悪くはないもんだ。この頃は人といることが多かったから。とは言えど、そう思えるようになったのはきっと、誰かと関わるようになったからかもしれない。今までは１人の時間は吐き捨てるように過ごしていたから。
「あれ、こんなところにいたんだ」
　１人の時間を邪魔するかのように声をかけられた。血のつながりのない、義理の姉だ。
「そんなに睨まないでよ」
「知らん、じゃあな」
姉のことは嫌いだ。あの人たちは幼い頃の記憶を思い返させる言動をする。折角離れられたのにもう再会するとは。最悪の一言に尽きる。
「メサイアはお前のような泥棒ネコのものではないのよ...」
姉が何かを言ったのには気づく余地もなかった。

ー？sideー

　あいつと父さん、どこに引っ越したのかと思ったらさくら元町じゃない。それなら簡単ね。お前が我が物顔で使うロングボウ・メサイアはお前が持つべきものではないの。お前じゃ勝てない血筋の違いってものを教えてやるわ。そして、お友達出来たみたいだし、また絶望の底へ叩き落としてあげるわ。

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