10話 優しさか ページ11
「そんなに緊張する必要もない。上がれ」
玄関に入り、後ろにいた緊張気味の月浪に声をかける。それにしても何故私はこんなことしたんだろうか。未だに分からないが、こいつにしてやりたいことをすれば自ずと分かるかもしれない。
「なんか、申し訳無いというか...」
「私が勝手にやりたかっただけだ。気にしなくていい」
混乱している様にも見えるが、まあ仕方ないよな。誘った私が混乱しているんだから。
「今日は昨日作ったポテトサラダと鮭のフライくらいかな。食べれないものとかあるか?」
エプロンを身につけながら言う。特にないよ、と一言返ってきた。一々ご飯作るのにエプロンつけない人が多いが、何となく料理する時はエプロンをつけたいタイプだ。月浪が不思議そうな顔をしている。期待なのか不安なのか分からないが、客を待たせるのは良くないな、早速調理を始めた。
ートウマsideー
リビングの椅子に腰をかける。1人が好きって言っていた彼女がこんなことするとは。嬉しくもあるが、心配されているのかな。エプロンを着ける彼女がなんだか誰よりも立派に見える。1人とは言え、寂しくないのだろうか。
「出来たぞ」
物思いにふけていた僕を五百雀さんの声が現実へ引き戻す。彼女は次々とポテトサラダや鮭のフライや味噌汁なんかを並べていく。なんて家庭的なんだ。いただきます、と食べ始めた。
「美味しい...」
自然とそんな声が溢れる。五百雀さんは暫くじっとこちらを見つめて良かった、と安心そうにしていた。この味付け好きだな、今度作り方聞こうかな。
「随分美味そうに食べるな」
「こうゆう風に誰かに作ってもらったご飯を誰かと食べるの久しぶりだな、と思って」
そうなんだよね。だから、ちょっとくらい浮かれてもおかしくないと思う。らしくはないけど。
そうだ、気になったこと聞いておこう。
「あの、どうして僕を誘ったの?あんまり人好きじゃないよね」
五百雀さんが何だかすごく悩んでいる。なんでだろう。
「実のことを言うと、私にもよく分からないんだ」
えっ、動揺してしまった。何となくという理由で人を家に呼んで料理振る舞っていたのか。何だか変わった人。
「だけど、自分がやろうと思ったことやってれば答えが出るのかと思ったのだが...」
イマイチピンと来る答えが出なかった、らしい。何だか落ち込んでる?考えが読みづらい人だ。
ちょっとぎこちない会話をして食事の時間を過ごした。
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Milkcat(プロフ) - 珠華姫さん» ありがとうございます!楽しんでもらえるような小説が書けるように頑張ります! (2019年8月7日 22時) (レス) id: f6a5fa765e (このIDを非表示/違反報告)
珠華姫(プロフ) - すっごくおもしろいです!更新頑張ってください!無理はしないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年8月7日 21時) (レス) id: 8b16303676 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - kotorin♪さん» 感想ありがとうございます!更新遅くなってしまってますが、出来る限り更新するので読んでいただけると嬉しいです! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 444fb6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 凄く面白いですね!続きが気になります!頑張ってください! (2019年7月28日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年7月19日 10時