JUNKI ページ8
朝、目が覚めて一番に想うのは君のこと。
「……伸びてきたなぁ」
前髪の長さが気になって、思い切って前髪を切った。気づいてくれるかな。「どうしたの？」って聞いてくれるかな。そんな期待を込めて。
完璧に制服を着こなして、可愛い花のヘアピンを付けて家を出る。…うん、大丈夫。可愛いって思ってもらえる。
「おはよう、純喜くん」
純「Aちゃん！おはよう」
朝はぽわぽわしている犬みたいな純喜くん。彼が、私の好きな人。頭が良くて、サッカーをしていて、そしてかっこいい。いつも皆の中心にいるような人。
純「……なあAちゃん、前髪切った？」
「へ、…気づいてくれた？」
純「当たり前やん、気づくで」
「…どう、かな？変じゃない？」
純「似合ってんで」
純「……かわええよ」
「…っえ、」
頑張って変じゃないか聞いてよかった。だって可愛いって言ってもらえたから。……ああ、朝から幸せすぎて溶けてしまいそう。
.
今日も一日頑張った。純喜くんが言ってくれた「可愛い」の言葉を反芻してなんとか耐えられた。
帰ろうと思っていたら、雨が降っていた。
「……どうしよう」
傘はもちろん、折りたたみの傘でさえ持っていなかった。一旦教室に戻ってこれからすぐ止むか確認してみようと思って振り返った瞬間、息が止まった。
「……純喜くん」
純「Aちゃん、帰らんの？」
「雨降ってきちゃって……」
傘や折りたたみ傘も持っていないことを話すと、純喜くんは笑った。
純「はは！Aちゃん、傘持ってないん！？」
「そうだよ、忘れたの！」
ちょっと煽ってくる純喜くん。でもすぐに少し真剣な顔になって私に言った。
純「帰れるん？」
「いや、帰れないと思う…」
純「Aちゃんって方向どこ？」
「駅の近くなんだけど…」
純「ほんま？俺もやねん！…しゃーないな、入る？」
「……いいの？」
家の方向が一緒なのにも驚いたのに、純喜くんの傘に入ることを提案されている。これってもしかして相合傘なのでは…？
純「ええねん！なあAちゃん、遠慮しすぎやで！」
「だって、純喜くんは嫌じゃないの？相合傘するの」
純「……Aちゃんは嫌やった？」
きゅるんとした目でそんなこと聞かれて、うんと頷ける人はいないし、嫌なわけがなかった。
「まさか！嫌じゃないよ」
純「ほんま！？じゃあ行くで」
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てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
