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次に目覚めても、まだ到着していないみたいだ。さっきまで暗闇だったはずなのに、少しだけ周りが明るくなっていることに気がついた。
「……瑠姫くん、ここ、どこ…？」
瑠「起きた？まだ秘密」
「瑠姫くん寝てないの？休憩しなくていい？」
瑠「俺はAを迎えに行く前に寝たから、気にしなくていいよ。ありがとう」
ここがどこかも分からないけど、でもめちゃくちゃ遠い場所なんだろうなっていうのは分かった。
こんなところまで運転して連れてきてくれるなんて、その行動がすごく嬉しかった。瑠姫くんさえいれば、もう何も…。
それからまた少し車を走らせたところに、その家はあった。
瑠「ここだよ。降りて、A」
「分かった。ありがとう瑠姫くん」
少し年数のたっている小さな一軒家。森の奥にあって、まるで別荘のようだ。
「瑠姫くん、ここ、どこなの？」
少しの荷物を部屋に入れ、リビングと思わしき場所にふたりでいるとき、思い切って聞いてみた。
瑠「ここは山だよ。東京から離れてるから心配いらない」
「……そっか。ありがとう瑠姫くん」
瑠「ねえA、ルールを決めてもいい？」
「…ルール？」
瑠「ここは森の奥でたまに動物が現れるから、俺の許可なしに無断で外に出ちゃダメだよ」
「わかった、危ないってことだよね」
瑠「そう。あともうひとつ。何があっても俺以外のインターホンには出ないで。あと連絡も」
瑠姫くんの綺麗な顔で言われたら頷くしかなかった。友達もそんなにいる方じゃないし、親はもういないから特に心配することはなかった。
「…瑠姫くん、私、本当に瑠姫くんが好き」
大きな目にそう言うと、瑠姫くんは優しく私を押し倒す。貪るようにキスをされ、息をする隙も与えてくれない。
もう既にあったキングサイズのベッドに行けば、もうそこは2人だけの楽園になる。
お互いを求める声が響いた。瑠姫くんしか映らない視界がどれだけ幸せなんだろうと思いながら彼に身体を預けた。
私はきっともう瑠姫くんに夢中で、ほかの何も見えていないんだろうと思う。スマホを彼に渡せば瑠姫くん以外の連絡先は消されたし、部屋からも出ちゃいけない。
他から見れば地獄のような生活かもしれないけど、私にとってここでの暮らしは天国のようなものだ。
私は、彼に夢中になりすぎている。
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てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
