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蓮「A、図書館に寄ってもいい？」
「いいよ。何か借りるの？」
蓮「うん、探したい本があって」
蓮はあれから、少しずつ物を失くしたり忘れたりすることが増えた気がする。
蓮「……あった。これ」
「…何それ？」
蓮が手にしていたのは、メリーポピンズという童話のような本。これに長い長い呪文が載ってるんだとか。
蓮「ノートに書いて毎日唱えれば忘れんかなって！」
「…そっか」
蓮「借りてくるから、待ってて」
帰り道、蓮から提案される。
蓮「…ノート作ろうかなって」
「ノート？」
蓮「絶対に忘れたくない10のことを書き留めるノート。そしたら忘れても、…いや、忘れん」
じゃあノート買おうって、ノートも買いに行った。コインランドリーで、忘れたくないことを10個書き出した。
蓮「まずは、自分のこと。…忘れんように名前も、生年月日も書かんと」
「個人情報の塊だね」
蓮「あははっ、そうやね」
そして無事に10個埋まったみたいだった。余ったページには、ひたすら長い長い呪文を書き連ねていた。
.
瑠「……A、蓮くんのこと。教えてほしい」
「……本人には、言わないでね。口止めされてるから」
瑠「分かった」
「…蓮、記憶がなくなるんだって」
瑠「……やっぱり」
瑠姫はやっぱり、気づいていたみたいだった。
「……だからさ、蓮が忘れ物しても、約束を忘れても。またもう一度思い出させてあげてほしい」
瑠「うん」
「…どうしようも、ないみたいだから」
瑠「そんな、…いつかは俺らのことも忘れるの？」
「……そうだと思う」
自分で言ってて、自分で苦しくなった。忘れないでほしい、ずっと覚えていてほしいという気持ちが顔を出したから。
.
「…おはよう」
瑠「は、ちょっと奨くんっ、どういうことっ」
「わ、どうしたの瑠姫！落ち着いて」
瑠「Aは知ってたの！？」
「な、何が…！」
瑠「蓮くんが学校やめたって」
「………え？なに、それ。知らないんだけど」
奨「蓮が、留守電してた。多分俺じゃなくてAに宛ててのものだと思うんだけど」
蓮『…俺、福岡に帰るね。ごめん、最後まで心配かけて、不安にさせてごめん。俺の代わりにさ、本返してほしいっちゃけど、いい？…ごめんね』
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てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
